2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16360317
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
鄭 淳讃 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (00262105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 一郎 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (30028237)
石山 博恒 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50321534)
渡辺 裕 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50353363)
市川 進一 日本原子力研究所, 東海研究所・物質科学研究部, 主任研究員 (20343907)
矢萩 正人 青森大学, 工学部・電子システム工学科, 教授 (20244890)
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Keywords | イオン導電体 / Li金属間化合物 / 格子欠陥 / 複合欠陥 / Li自己拡散係数 / 短寿命核ビーム / 規則-不規則変態 / 空孔濃度 |
Research Abstract |
平成16年度は、イオン導電体であるLi金属間化合物β-LiGaについて、Li原子空孔の規則-不規則変態と空孔濃度の違いに伴うLi自己拡散係数の変化を調べ、Li金属間化合物における格子欠陥(原子空孔、置換原子)及び格子欠陥同士の相互作用がイオン拡散に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 原研・東海研内タンデム加速器施設が提供する^7Liビームを^9Be標的に照射すると生成される短寿命核^8Li(半減期0.83秒)を反跳核分離器により分離し、拡散実験に用いた。試料の上流側にエネルギー減衰板を置き、適当な深さに短寿命核^8Liを打ち込み、崩壊の際放出されるアルファ粒子の収量を時間関数で半導体検出器により測定した。得られたアルファ粒子収量の時間スペクトルと数値計算との比較から拡散係数を求めた。 Li組成の違う試料(43,51,55 at.%Li)を用意し、350〜200K間の拡散係数を測定した。特に、Li欠乏β-LiGa(43at.%Li)に関しては詳細な測定が行われ、240K近傍(幅10K程度)でLi自己拡散係数が2桁以上変わることが観測された。又、常温における拡散係数のLi組成依存性を調べた所、51at.%Liの試料が43at.%Liの試料よりLi拡散が早いことが見出された。これは、同類のβ-LiAl、β-LiIn等に比べ、遥かに強い格子欠陥同士(原子空孔-置換原子)の相好作用に起因するものと思われ、興味深い結果である。 平成17年度からは東海短寿命核ビーム加速実験装置(TRIAC:Tokai Radioactive Ion Accelerator Complex)が提供する^8Liビームを用いて同様な拡散実験を行う予定である。そのため、生成標的(^<13>C enriched graphite)の開発と大強度に耐えられる計測系の整備を行っている。
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Research Products
(2 results)