2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化型アパタイト人工格子の創製と生体分子吸着特性制御
Project/Area Number |
16360330
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
早川 聡 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (20263618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾坂 明義 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20033409)
都留 寛治 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (50314654)
吉田 靖弘 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (90281162)
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30050058)
高柴 正悟 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)
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Keywords | 亜鉛イオン / アパタイト / タンパク質 / 吸着 / 病因物質 / 固体NMR / 生体適合性 / 炭酸イオン |
Research Abstract |
1.表面ナノ格子制御・ソフト化学的手法による自己組織化型アパタイト粒子の作製 硝酸カルシウム塩水溶液とリン酸水素アンモニウム塩水溶液をそれぞれ調製し,pH10,20℃から60℃の温度範囲,3ml/minの速度条件下で混合してアパタイト微粉を得た。アパタイト粒子生成の後,亜鉛およびマグネシウム等の生体活性金属イオンを含む溶液に浸漬し,アパタイトに対する過飽和度とイオン交換反応の平衡を,温度制御下で調節し,極表面のみナノ格子チューニングした微粒子を得た。 2.自己組織化型アパタイト粒子の表面化学組成・化学結合状態解析 上述の自己組織化型アパタイト粒子の表面化学組成・各種置換イオンの化学結合状態を高分解能X線光電子分光装置で調べ,表面に亜鉛イオンおよびマグネシウムイオンが置換していることを確かめた。 3.自己組織化型アパタイト粒子の超微細構造解析・局所構造精密解析 結晶構造・結晶子径をX線回折装置,透過型電子顕微鏡で調べ,赤外分光装置及び,多核固体NMR分光装置により,置換イオンやリン酸イオンの化学状態を調べた。表面への亜鉛およびマグネシウムイオン置換処理前後での一次粒子径および結晶性を詳細に比較した結果,イオン置換処理によって,粒子径は僅かに増加したが,結晶性および比表面積の変化は小さかった。 4.生体分子吸着特性の評価・制御 血漿タンパク質の代表例として必須タンパク質のアルブミンを選択し,病因物質(β_2-ミクログロブリン)との混合タンパク質含有緩衝液を用いて吸着実験を行った結果,亜鉛イオンを表面に置換したアパタイト微粉では,高選択的に病因物質(β_2-ミクログロブリン)を吸着することが明らかになった。亜鉛イオン置換量が多いほど病因物質の吸着量が向上した。一方,アルブミンの吸着量はほとんど変化しなかった。 5.生体内安全性のin vivo評価 ラットを用いたin vivo評価により生理学的反応によるアパタイト微粉の分解性・組織適合性を評価した結果,安全性の指標となる炎症反応は確認されなかった。
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Research Products
(4 results)