2006 Fiscal Year Annual Research Report
ソノケミカル反応による炭素基特殊構造体の常温液相合成
Project/Area Number |
16360332
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
榎本 尚也 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (70232965)
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Keywords | ナノ材料 / 無機工業化学 / 新エネルギー / 超音波 / ソノケミストリー |
Research Abstract |
本研究の目的は、ベンゼン誘導体等の有機化合物のソノケミカル反応により炭素基の特殊構造体を合成することである。具体的には、詳細な条件、すなわち、出発原料、共存触媒、および超音波処理条件(温度、時間、雰囲気、強度、周波数、配置、その他)を系統的に変化させ、得られる生成物の結晶相、形態を整理・体系化する。出発原料および触媒種のスクリーニングと超音波強度・周波数に重点をおいて特殊構造体の生成効率の向上を目指す。 昨年度までの結果より、最もソノケミカル反応生成物が顕著に得られたジクロロベンゼンについて、共存固体粒子の同時添加について検討した。金属亜鉛と硝酸亜鉛、金属亜鉛と酸化亜鉛、硝酸亜鉛と酸化亜鉛などの組み合わせに対して得られるソノケミカル反応生成物を透過型電子顕微鏡で観察した結果、中空針状粒子が得られたのは金属亜鉛+硝酸亜鉛のみであった。得られた粒子は明確に同定できなかったものの、その成分に亜鉛が含む結晶質であること、電子線照射による損傷があること、などが分かり、単純な炭素基材料が得られたのではなく、触媒として位置づけていた固体粒子とのソノケミカル反応があることが分かった。また金属亜鉛については、空気中の酸素とのソノケミカル反応により板状のZnOが得られるという特異的な反応も見出した。 更に電気化学的な手法とソノケミカル反応の重畳を試み、暫定的な条件であったにもかかわらず直細孔という特殊構造体を有するチタン化合物が得られて、顕著な成果となった昨年度の成果を受け、本年度は超音波処理条件(温度、時間、雰囲気、強度、周波数、配置、その他)のほかにも電気化学条件を詳細に検討して更なる展開を試みた結果、高濃度硝酸条件では、ソノケミカル条件のみにおいて直細孔組織が得られることが分かった。
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Research Products
(4 results)