2005 Fiscal Year Annual Research Report
生体インプラント用金属およびセラミックス材料表面反応に及ぼす応力の影響
Project/Area Number |
16360354
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
成島 尚之 東北大学, 先進医工学研究機構, 教授 (20198394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 千秋 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00312603)
井口 泰孝 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90005413)
平 雅之 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (60179398)
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Keywords | 生体材料 / チタン / チタン合金 / 摩耗粉 / 摩擦摩耗 / 生体適合性 / ピンオンディスク / イオン溶出 |
Research Abstract |
本年度は、ピンオンディスク法によるチタン-チタン系及びチタン-セラミックス(またはUHMWPE)系の1mass%乳酸溶液中(pH:2.2-2.3)における摩耗特性評価を行った。 (1)チタン-チタン系 ピン材およびディスク材にチタン材料(CP-Ti, Ti-6Al-4V, Ti-6Al-7Nb, NiTi)同種材を用いた。摺動距離およびピン荷重で規格化したwear lossに着目すると、CP-Ti系が最も大きく、この原因は、CP-Tiを用いた際に凝着摩耗を生じるためと考察した。これに関連し、CP-Ti系では摩耗粉が大きいことが確認できた。摩耗試験中、チタンイオンに加えて各構成元素の溶出も確認された。NiTi系ではニッケルイオン溶出も確認された。ニオブの溶出はその構成比と比較して小さく、Ti-6Al-7Nb合金が優れた耐食性を有することが確認された。 (2)チタン-セラミックス(またはUHMWPE)系 セラミックス(アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素)またはポリマー(UHMWPE)のピンおよびCP-Tiのディスクを用いた場合、ジルコニア(3Y-PSZ)およびUHMWPE系で他のセラミックス系と比較して小さいWear lossが得られた。これは、ジルコニアおよびUHMWPEの摩擦係数が小さいためと考察した。ジルコニアおよび窒化ケイ素のピンを用いた際には、摩耗試験に伴う質量減少に占めるジルコニウムおよびシリコンの溶出割合が大きく、ピンおよびディスクの摩耗界面における界面反応の関与が示唆された。すなわち、ジルコニアでは水分子によるZr-O結合の切断、窒化ケイ素ではアンモニウムイオンの形成、などである。これらの結果の総括として、CP-Tiディスクのwear lossに及ぼすピン材料硬度の影響を考察した。
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Research Products
(1 results)