2005 Fiscal Year Annual Research Report
高効率エネルギー変換用金属材料の高温酸化皮膜の非平衡組織と機能の制御
Project/Area Number |
16360361
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
丸山 俊夫 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (20114895)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 憲一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50270830)
上田 光敏 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (90376939)
|
Keywords | 高温酸化皮膜 / 化学ポテンシャル分析 / イオン流束の発散 / ボイド形成 / Cr2O3皮膜 / Fe3O4皮膜 / 有効拡散係数 |
Research Abstract |
本研究は高温酸化皮膜中の電気化学ポテンシャル分布を計算で求め,イオンの流束とその発散を調べることにより,酸化皮膜中のボイドの生成を含む組織形成を定量的に予測すること,さらに皮膜組織の制御により酸化皮膜の機能的特性を制御することを目的としている。平成16年度で提案した解析式を用いて研究を行い,平成17年度は以下の成果を得た。 (1)Fe-Cr合金やNi-Cr合金の高温酸化で生成するCr_2O_3皮膜のボイド生成について,既報の拡散係数を用いて解析した結果,ボイドの生成の有無とその位置について,計算からの予測実際の皮膜組織が良く対応することを確認した。 (2)高温燃料電池用のFe-Cr合金インターコネクト上に生成するCr_2O_3皮膜について,外部電流印加時の皮膜の成長挙動を調べ,電流印加時の組織変化に関する実験を行った。また,この過程に関する電気化学ポテンシャル分布,イオンの流束とその発散の解析法を80%程度完成した。 (3)金属上に生成する高温酸化皮膜は多結晶であることから,粒界拡散を考慮した取り扱いが必要である。Feの823Kの高温酸化で生成するFe_3O_4皮膜のボイド生成を取り上げて,解析方法を確立した。即ち,皮膜成長速度から求められる放物線速度定数,酸化皮膜の内層と外層の厚さの比の実測値から,粒界拡散の寄与を含む有効拡散係数を化学ポテンシャルの関数として算出し,その値を用いて電気化学ポテンシャル分布,イオンの流束とその発散を計算した。この解析から求められるボイドの生成位置とその体積は,実験結果と一致した。
|
Research Products
(2 results)