2004 Fiscal Year Annual Research Report
大容量セラミックスコンデンサ用ランタノイド硫化物の開発
Project/Area Number |
16360369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
平井 伸治 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (10208796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋影 和宜 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (70005346)
太田 道広 室蘭工業大学, 特別研究員(PD)
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Keywords | 希土類硫化物 / 高誘電体材料 / 熱電材料 / 組織制御 / 相変態 / 不純物 / 脱酸剤 / 熱電性能指数 |
Research Abstract |
二硫化炭素(CS_2)を用いた硫化法により合成した硫化ランタン(La_2S_3)粉末は、低い硫化温度では、多量の不純物酸素を含み、熱電材料として有望なγ相への相変態が阻害される。一方、高温で硫化合成した粉末は、低酸素となり容易にγ相へ相変態するが、不純物炭素を多く含み、La_2S_3焼結体の粒成長が抑制される。本年度は、低酸素、低炭素のLa_2S_3焼結体の作製を目指し、脱炭ガスとしてNH_3ガスを用いるプロセスを開発した。 前述のLa_2S_3の相変態を、不純物酸素濃度に関係なく制御するために、脱酸剤としてチタンを用いるプロセスを確立した。さらに、チタンを8wt.%添加した、γ相を主成分とする焼結体は、n型の縮退半導体としての振舞いを示し、その熱電性能指数ZTは、1,000Kで、大きな値である0.21に達した。一方、チタンを2wt.%添加したβ相を主成分とする焼結体は、γ相と同様にn型の傾向を示す。その輸送特性は、アンダーソン局在の観点からよく説明ができる。そのZT値は、温度の上昇とともに飛躍的に増加し、1,000Kで0.18に達した。 硫化テルビウム(Tb_2S_3)粉末の新規合成方法として、酸化テルビウム(Tb_4O_7)を、CS_2を用いて硫化するプロセスを確立した。さらに、この粉末を加圧焼結し、緻密なγ-Tb_2S_3焼結体を作製し、熱電特性を評価した。すべての焼結体において、熱伝導率は格子の寄与に支配さている。化学両論比に近い試料の電気抵抗は、温度が上昇するにつれて、半導体的から金属的振舞いへと変化する。熱電能はn型を示し、その絶対値は転移点付近で最大値を持つ。これに反して、熱処理によって、硫黄の量を減らした試料は、n型の金属的振舞いを示し、673Kの温度で、ZT値は0.14に達した。
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