2005 Fiscal Year Annual Research Report
微細酸化物、硫化物および炭窒化物利用による大入熱溶接部の組織制御
Project/Area Number |
16360370
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水渡 英昭 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70030054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 亮 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (70111309)
太田 裕己 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (20271976)
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Keywords | 大入熱溶接 / HAZ靱性 / 微細介在物 / 結晶粒成長制御 / 粒内フェライト |
Research Abstract |
高周波溶解炉において、1550〜1600℃、脱酸アルゴン気流中でMgOおよびAl_2O_3るつぼを用いてFe-C系合金を溶解し、FeO、FeS、Fe_3Nを添加することにより初期酸素、硫黄および窒素濃度を制御した。さらにFe-X合金(X=Al、Mg、Zr、Ti、Si)を添加して酸化物を主体とした一次介在物を生成させ、この析出物を核にした凝固や変態による組織の微細化についての研究を行った。 a.析出物を核にした凝固組織の微細化実験 溶融合金を種々の冷却パターンで冷却し、凝固途中で急冷する実験を行った。得られたメタル試料の切断面を鏡面研摩し、光学顕微鏡およびSEM観察により一次介在物の粒径分布を調べた。またメタル中介在物の抽出を行い、SEM観察により介在物の組成、形態および大きさをEPMAにより求めた。エッチングにより顕出した凝固組織を光学顕微鏡観察し、初期凝固核の個数密度および凝固組織の形態(柱状晶、等軸晶など)と一次介在物の組成、大きさ、量との相関関係を調べた。 b.析出物を核にした変態による組織の微細化実験 一次介在物を含む溶融合金を種々の冷却パターンによりフェライト相析出領域まで冷却した。この場合、溶鋼段階で存在する一次介在物上に、冷却過程で二次介在物(主に硫化物、炭窒化物)が生成した。メタル表面上の介在物の分布および組成をSEM-EPMAにより求め、複合析出しやすい一次介在物と二次介在物の組み合せを明らかにした。また試料表面をエッチングし、組織に占める粒内フェライト(IGF)の割合を調べることにより、IGF生成に有効な介在物やIGF生成機構支配因子について検討を行った。さらに、試料をオーステナイト変態温度以上に再加熱・保持してα→γ相の逆変態をおこさせた後、逆変態途中で急冷する実験を行った。得られた試料を光学顕微鏡により組織観察し、オーステナイト析出初期の核生成優先サイトが介在物量および鋼組成によりどのように変化するかを調べた。
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