2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16360371
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福山 博之 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (40252259)
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Keywords | 電磁浮遊装置 / 熱物性 / シリコン / 交流カロリメトリー / 分光放射率 / 比熱 / 熱伝導率 / ステンレス鋼 |
Research Abstract |
昨年度の液体シリコンの熱輸送特性(半球全放射率、比熱、熱伝導率)測定に引き続き、溶融ステンレス鋼(SUS304)の熱物性測定を行った。 1、磁場中でのステンレス液滴の挙動の観察 静磁場を重畳させた電磁浮遊炉内でステンレスを浮遊溶解し、液滴の状態を高速度ビデオカメラを用いて観察した。磁場の大きさを変えて、液滴の対流や振動に与える磁場の影響を調べた。 2、流カロリメトリー(固体) チャンバー内を真空に保持し、コイル中央に設置した直系10mmの固体ステンレス球の試料について交流カロリメトリーを行い、熱輸送特性(半球全放射率、比熱、熱伝導率)を測定した。固体球上部からの種々の周波数に変調した半導体レーザー(波長808nm)を照射し、固体下部からの温度応答を放射温度計でモニターし交流カロリメトリーを行った。 3、交流カロリメトリー(液体) 高周波コイル中央に石英管を設置し,その中でステンレス鋼を浮遊溶解した.その液滴上部から、種々の周波数に変調した半導体レーザー(波長808nm)を照射し、液滴下部からの温度応答を放射温度計でモニターし交流カロリメトリーを行った。ステンレス融体の酸化を防ぎ,温度を制御するために,石英管下部からAr-H_2-He混合ガスを流し,ガス気流中で測定を行った.ガス気流中で実験を行ったため,半球全放射率の測定は断念し,比熱および熱伝導率の測定を試みた.得られた溶融ステンレス鋼の比熱には明確な温度依存性が認められなかった.また,熱伝導率の値は,静磁場の強度が大きくなるにつれて小さくなった.これは,静磁場によるローレンツ力が働き,流動を抑制したためである.真の熱伝導率を測定するためには,さらに大きな磁場強度を印加する必要があることが分かった.
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Research Products
(17 results)