2004 Fiscal Year Annual Research Report
鉄鋼製錬反応の高速化とエネルギー消減を目指した石炭-鉱石接合体の構造と組織設計
Project/Area Number |
16360375
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 正賢 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30325500)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 浩樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80294891)
前田 敬之 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50150496)
中川 大 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80260719)
|
Keywords | 酸化鉄 / ガス化速度 / 還元速度 / 揮発性還元ガス |
Research Abstract |
1.古紙を炭化する際に発生する揮発性還元ガスを用いた還元実験を700〜1000℃の温度範囲でおこなった。その結果、還元温度が高いほど還元率が高く、10分前後で還元率は最高に達し、その後停滞し、次第に減少する傾向が認められた。これは古紙から発生するガスはCO、H_2、CO_2、CH_4であるが長時間側になるほどCO濃度が低下し、酸化性雰囲気が強まったためであると考えられる。 2.酸化鉄と粉末状の炭材を用い、酸化鉄中の酸素モル量と炭材中の炭素モル量が1:1となるように配合した。炭材としては、(1)古紙をAr気流中において400℃で30分間炭化し作製した炭材(CBC)、(2)石炭、(3)それらを炭素モル量で1:1となるように混合したものの3種類とした。還元実験用の試料は質量約1.5gで直径10mm、高さ10mmの酸化鉄-炭素接合体を作製して使用した。還元実験は、流量2L/minのN_2雰囲気、1000〜1200℃の温度範囲で行った。また、CBCと石炭のガス化速度を1000℃および1200℃、100%CO_2の条件で測定した。 3.CBCおよび石炭のCO_2によるガス化実験の結果、ガス化速度は1000℃,1200℃いずれの温度でも石炭よりもCBCの方が大きいことが分かった。この違いは比表面積が、CBCでは15.9m^2/g、石炭では2.7m^2/gとCBCの方が大きいことによるものと考えられる。 4.還元実験の結果、いずれの試料においても還元温度が高くなるほど還元速度は大きくなることが分かった。還元に対する温度依存性は石炭の方がCBCよりも大きかった。低温では石炭よりもCBCを用いた試料の方が高い還元率が得られた。特に1000℃においては、石炭を用いた場合の還元率が約20%であるのに対しCBCを用いた場合では約60%と大きな還元率を得た。1200℃では石炭とCBCは同程度であった。したがって、低温で大きい還元速度を得るためにはガス化速度の大きいCBCを用いれば良いことが分かった。また、CBCの混合により還元速度が大きく改善されることが分かった。
|
Research Products
(1 results)