2005 Fiscal Year Annual Research Report
鉄鋼製錬反応の高速化とエネルギー消減を目指した石炭-鉱石接合体の構造と組織設計
Project/Area Number |
16360375
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 正賢 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30325500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 浩樹 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80294891)
前田 敬之 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50150496)
中川 大 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (80260719)
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Keywords | 鉄鉱石 / ガス化速度 / 還元速度 / 流動性石炭 / ヘマタイト / マグネタイト |
Research Abstract |
ヘマタイトとマグネタイトの2種類の鉄鉱石と流動性の異なる3種類の石炭を組み合わせ、バインダーとして小麦粉を使用しコールドボンド法で石炭-鉱石接合体を作製し、鉄鉱石の酸化度や石炭の流動性などの原料性状が石炭-鉱石接合体の反応速度及び組織に及ぼす影響を調べた結果、以下のことが分かった。 1.石炭-鉱石接合体の組織観察を行った結果、流動性がある石炭を用いると、石炭が鉱石を包み込むようにして流動しているが、このような現象は非流動性石炭を用いた試料では観察されない。したがって、石炭の流動性により鉄鉱石との接触性が向上することが分かった。さらに、ヘマタイト鉱石を用いた試料とマグネタイト鉱石を用いた試料を比較するとマグネタイト鉱石を用いた試料の方がヘマタイト鉱石を用いた試料よりも多くの気孔が含まれていることから、マグネタイト鉱石と石炭の接触性はかなり低いものと考えられる。 2.石炭-鉱石接合体の還元速度は実験温度が高くなるほど、また流動性石炭を用いたほうが大きいことが分かった。さらに、ヘマタイト鉱石を用いた試料は、マグネタイト鉱石を用いた試料よりも還元速度が大きいことも分かった。これは、ヘマタイト鉱石と流動性石炭の組み合わせが最も接触性が良好であり、石炭と鉄鉱石の接触面で起こる直接還元が活発に起こるためであると考えられる。 3.ガス化速度は実験温度に大きく影響され、高温になるほど大きくなっていくことが分かった。900℃などの低温では、ガス化速度が非常に遅く、ガス化反応に必要なCO_2ガスが枯渇し反応が停滞する。このため、COガスが発生しなくなり、還元も早い段階で停滞してしまう。1200℃などの高温では、ガス化速度が非常に速いため、還元反応によって生成されたCO_2ガスが有効的にガス化反応に利用され、還元反応、ガス化反応が伴に速やかに進行する。
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Research Products
(1 results)