2005 Fiscal Year Annual Research Report
感温型ヘテロポリマーゲルによる極微量物質の高度分離・濃縮法の開発
Project/Area Number |
16360381
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 義夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30092563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣川 能嗣 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 連携教授
宮崎 あかね 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (80293067)
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Keywords | 化学工学 / 環境技術 / 構造・機能材料 / ゲル / 環境 |
Research Abstract |
前年度(平成16年度)に開発した感温型ヘテロポリマーゲル(SSS-VBTA共重合体ゲル:組成はSodium styrene sulfate(SSS)とVinyl benzyl trimetyl ammonium chloride(VBTA))を用いて、種々の極微量有害環境汚染物質の分離・濃縮を温度スイング操作のみで行う方法の有効性を実証すると共に、下記に示す成果を上げることができた。 (1)対象汚染物質として、ベンゼン環を二つ有する化合物(4,4'-Biphenol(オクタノール/水分配係数:logP=2.42))、ナフタレン誘導体(2-Naphtol(logP=2.71))、ベンゼン環を一つ有する化合物(p-tert-Butylphenol(logP=3.17)、phenol(logP=1.48))を選び、298Kにおける吸着量を評価した結果、その順位は、4,4'-Biphenol>2-Naphtol>p-tert-Butylphenol>phenolとなった。 (2)(1)の結果から、多環芳香族化合物の吸着量は単環芳香族化合物よりも大きいこと、疎水度(logP)が最も大きいp-tert-Butylphenolの吸着量が多環芳香族化合物よりも小さいこと、が明らかとなった。このことから、SSS-VBTAゲルの吸着挙動に、疎水度よりも吸着質の構造が大きく寄与していることが示唆された。 (3)開発したSSS-VBTAゲルは室温レベルの温度下で、上記化合物を吸着・分離・濃縮し、40℃以上の温度レベルで濃縮されたこれら化合物をゲルから溶離・回収できることを確認するとともに、吸着・濃縮・溶離が温度操作のみで可逆的に起こることを実証した。
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Research Products
(7 results)