2004 Fiscal Year Annual Research Report
インクジェトプリントにおける薄膜形成機構の解明とその制御
Project/Area Number |
16360387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深井 潤 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20189905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高原 淳 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (20163305)
山本 剛 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20321979)
金田 昌之 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50346855)
中曽 浩一 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40363379)
森田 正道 ダイキン工業(株), 化学事業部, 主任研究員
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Keywords | インクジェット法 / 薄膜 / 高分子溶液 / 蒸発 / 乾燥 / 自己組織化 / 液滴 |
Research Abstract |
1.微小液滴の成膜工程の移動現象 (1)直径がμmオーダの液滴が基板上で蒸発・成膜していく過程を,鉛直・水平の両方向から観察できる装置を構築した。 (2)濡れ性の異なる基板上に,高分子溶液滴をインクジェット法にて真上より射出して,蒸発過程を観察した.濡れ性が異なる基板で薄膜形状が異なるのは,蒸発過程における液滴接触線の固定するタイミングが異なるためであり,このタイミングが薄膜形状を支配的する主要な因子であることが明らかとなった. (3)実験結果を無次元数で整理することにより,直径がμm〜mmの液滴における接触線固定のタイミングは輸送現象の相似則に従って説明できる可能性が示唆された。 (4)流動,熱移動および物質移動を考慮した数値解析モデルを開発し,液滴接触線の固定と接触線付近の溶質濃度の関連性を検討した。その結果,初期液滴濃度が高いほど,接触角が小さいほど,接触線付近の溶質濃度は早く上昇し,接触線が固定されやすい状況になることがわかった。 2.パターン基板上における液滴の分裂 (1)高分子溶液滴を,親液領域と疎液領域をライン状にパターニングした基板に滴下し,その蒸発過程と薄膜形成を観察した。その結果,パターン間隔が狭いほど液滴は分裂しづらいことがわかった。また,パターン基板上に形成された薄膜厚さの分布は,分裂過程の履歴が直接反映されることがわかった。 (2)親液領域のみに薄膜を形成するためには,親液領域における接触線固定ならびに疎液領域における接触線後退が必要条件であることが明らかとなり,表面設計の基本的指針が得られた。 (3)パターン基板に着弾した液滴の表面張力エネルギーを計算できるモデルを開発し,パターン幅と液滴の初期広がり径の関係を予測することが可能となった。
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