2004 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブの合成メカニズムと吸着特性に対する触媒機能の解明
Project/Area Number |
16360397
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 潤児 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (40227905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木島 正志 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (70177822)
松石 清人 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (10202318)
鈴木 修吾 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (90241794)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 水素吸蔵 / 燃料電池 / 表面化学 / 走査トンネル顕微鏡 / 電極触媒 / グラファイト / 触媒化学 |
Research Abstract |
カーボンナノチューブ(以下CNTと略す)の生成過程、水素吸蔵、燃料電池電極触媒、CNTやグラファイトの表面化学に関する研究を行った。炭素表面の化学修飾に必須の情報である。実験として、CNT合成では、常圧流通式反応器を用い、メタンを反応ガスに用いた。触媒には、Ni/Mo/MgO、Fe/Mo/MgOおよびCo/Mo/MgOなどを用いた。CNTによる水素吸蔵では、CNTを硝酸および酸素などで酸化処理後、欠陥を導入し、Pd触媒を担持した。燃料電池電極触媒では、PtおよびMo_2C触媒を欠陥導入後にCNTに担持した。また、HOPG表面での酸素など小分子の吸着や表面反応については超高真空STM装置およびXPS装置を用いて行った。はじめにCNT合成の結果であるが、Ni/Mo/MgO触媒やCo/Mo/MgOなどMgOを担体とし、Moを含む触媒を用いたところ、メタンから3-15層のCNTが合成され、触媒組成を変えることによって層数や外径を制御することができた。CNT合成中ではMoは炭化物になっている。NiやCoはメタンを解離する役割を果たすと考えている。燃料電池電極触媒の研究では、Ptを担持したCNTを用いてアノードおよびカソードの電極触媒をつくり、その燃料電池を評価したところ、Pt/カーボンブラックを上回る性能が得られた。その理由として、i)導電性の増加、ii)三相界面の有効な形成、iii)ガスや水の拡散速度の向上などが考えられる。Mo_2C/CNT電極触媒も作動することを確認した。水素吸蔵の研究では、PdをCNTに担持し、常圧の水素を用いて、スピルオーバー効果により欠陥部位に原子状水素を吸蔵させることに成功した。最大で4wt%吸蔵できた。しかし、脱離温度が600K以上と高いため、これを低下させる必要がある。赤外分光法により水素はCH_2またはCH_3の状態で吸蔵されていることがわかった。
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Research Products
(6 results)