2004 Fiscal Year Annual Research Report
超微少流体送液システムを集積化した高度Lab-on-a-Chipの構築
Project/Area Number |
16360406
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 博章 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 教授 (20282337)
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Keywords | 送液機構 / エレクトロウェッティング / 開放型流路 / 気泡 / 白金黒 / アンモニア / 尿素 / クレアチニン |
Research Abstract |
高度な微小化学分析システムを実現する上で、送液システムの開発は長年の課題である。本研究では電気化学的原理に基づく微小送液システムを作製し、化学センサ、バイオセンサとの集積化を試みた。一つのシステムでは金電極の濡れ性を電極電位により制御し(エレクトロウェッティング)、開放型の微小な流路ネットワーク中で微少流体の送液を行った。このシステムは微小化に有利で、複雑な流路ネットワーク中でも容易に送液が行えるという特徴がある。また、もう一つのシステムでは、閉じた空洞・流路内に形成した白金黒上で水素気泡を可逆的に生成・消滅させ、隔膜を介して微小流路内の溶液の動きに変換した。これは小規模システムに向いており、送液される溶液が限定されないという特徴がある。従来、微小チップ上に形成された流路ネットワーク中での溶液の移動は難しかったが、本研究で作製したこれらのシステムではそれを実現した。また、いずれのシステムも、駆動電圧、消費電力が従来の他種のマイクロポンプに比べて桁違いに小さいという特徴がある。 化学分析システムでは、単に送液するだけでなく、複数の溶液の混合も必要になる。上記の2つのシステムでは、いずれもこれが可能である。溶液の送液・混合が可能になると、生化学分析への可能性が拓けてくる。エレクトロウェッティングを利用したシステムでは、その開放型流路を利用して、エアギャップ型アンモニアガス電極を集積化し、機能させることに成功した。また、これを尿素、クレアチニンセンシングシステムに応用した他、電気化学発光を利用したアミノ酸の検出も行った。気泡を利用したシステムでは、蛍光検出により過酸化水素、L-グルタミン酸のセンシングを行い、これらを定量できることを示した。
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Research Products
(5 results)