2005 Fiscal Year Annual Research Report
インテリジェント細胞バイオセンシングシステムの創出
Project/Area Number |
16360407
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小畠 英理 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (00225484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三重 正和 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助手 (40334528)
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Keywords | 細胞バイオセンシング / インテリジェント材料 / 疎水性人工タンパク質 / 一酸化窒素 / 細胞接着タンパク質 |
Research Abstract |
本申請課題では、外部刺激に対して応答するインテリジェント材料として生細胞を利用することにより、薬物や毒物が生体に及ぼす影響を評価できる、新しい概念の環境応答型インテリジェント細胞バイオセンシングシステムの開発を目的としている 疎水性人工タンパク質をコートした電極上で血管内皮細胞を培養して、細胞バイオセンシングシステムを構築した。電極と細胞を、タンパク質の薄膜を介して密着させ一体化することにより、細胞から放出される極微量の物質を正確かつ迅速に定量することができる。 まず本システムにより、NO放出を指標とした血管作用性薬剤の評価が可能であることを確認するため、既知の薬剤により、細胞から放出されるNOのセンシングを行った。血管弛緩作用を示す薬剤としアセチルコリンを用いた。アセチルコリンは血管内皮細胞のNO放出を増加させ、その結果血管弛緩を誘導することが知られている。本細胞バイオセンシングシステムにアセチルコリンを種々の濃度で添加した時に放出されるNOを定量した結果、濃度依存的にNOが放出されることが示された。また、血管弛緩を阻害する薬剤として知られるN-monomethyl-L-arginineをアセチルコリンとともに細胞バイオセンサに添加し、NO放出量の変化を追跡した結果、その放出量が濃度依存的に阻害されることが示された。 以上、構築した細胞バイオセンシングシステムによるによるNO放出挙動の測定結果を、従来のNO測定法であるグリース法による結果と比較することにより、本細胞バイオセンシングシステムの有効性を評価した。
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Research Products
(5 results)