2004 Fiscal Year Annual Research Report
酵素の光学選択性に関与する基質認識部位の網羅的解析
Project/Area Number |
16360411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中野 秀雄 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教授 (00237348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 雄吾 名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (50273214)
加藤 且也 独立行政法人)産業技術総合研究所, 中部センター, 主任研究員 (70356781)
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Keywords | リパーゼ / 無細胞タンパク質合成系 / 一分子PCR / 光学選択性 / ハイスループットスクリーニング |
Research Abstract |
本研究では安定性に優れ、工業的に有用な微生物リパーゼを構造の枠組みとして用い、その基質結合部位だけに組み合わせ変異を導入し、光学異性体基質によりスクリーニングすることで、様々な基質特異性、反応性を有するリパーゼ群を創製し、基質認識部位の構造と反応性について網羅的に解析することを目的としている。以下に本年度の主たる成果を記す。 1)Burkholderia cepacia KWI-56リパーゼと基質(2-phenylpropionic acid)との反応中間体の構造モデルを、既知のホモロジーの極めて高いリパーゼ構造を基に、InsightIIとDiscoverを用いてコンピュータ上に構築し、基質選択性に関与している可能性があるアミノ酸残基を、疎水ポケット中から4カ所予測し選び出した。またスクリーニング用基質(2-phenylpropionic acid resolufin ester)の合成を行った。 選択したアミノ酸残基だけに合成オリゴヌクレオチドを用いてランダム化した遺伝子プールをPCRにより調製した。次に申請者らが開発したエマルジョン中での一分子PCRによりビーズ上に上記DNAを一分子ずつ固定し、さらに1536穴プレートによる一ビーズPCRを行い、高密度なDNAライブラリーを作製した。次に無細胞タンパク質合成系により変異リパーゼをプレート上に発現させ、上記基質によりスクリーニングを行った。これまでのところ5種類の変異リパーゼを取得し、塩基配列を決定している。 2)2級アルコールに対するハイスループットなアッセイ系として、まず2-octanolおよび2-hexanolとvinyl laurateを用いたエステル転移反応を行い、生成物であるアセトアルデヒドを、NBD-Hを反応させて蛍光物質を生じさせる系を確立した。
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