2006 Fiscal Year Annual Research Report
B細胞株の自発的変異能力を応用するタンパク分子進化システムの確立
Project/Area Number |
16360414
|
Research Institution | OKYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大森 齊 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70116440)
|
Keywords | 抗体 / B細胞 / 突然変異 / ニワトリ / 感染防御 / タンパク工学 |
Research Abstract |
抗体遺伝子の変異機能を可逆的にON/OFF制御できるニワトリB細胞株DT40-SWを用いて、この培養細胞集団が形成する抗体ライブラリーから、目的抗体産生細胞を迅速に単離できる新規なin vitro抗体作製技術を開発することを目的とした。この方法により,免疫寛容を克服し、親和性成熟機構も組み込んだ効率的な抗体創製を実現する。設定した目標に対して以下のような実績を得た。 1)免疫寛容の制限の少ない優良な抗体ライブラリーを作製と、そのレパートリーの多様性の評価。 DT40-SW細胞を大規模に長期連続培養し、十分な抗体の多様性を備えたライブラリーを構築している。現段階のライブラリーからランダムに選んだクローンのVH、VLの配列解析を行い、十分広範なレパートリーが形成されていることを確認した。 2)DT40-SWからの変異機構のON/OFF制御による目的抗体の安定な取得と親和性成熟による抗体の高機能化。 ハプテンNPに対する抗体産生クローンを取得し、変異機構をOFFにすることにより、抗原特異性を安定化できることを確認した。このクローンの変異機能を再びONにし、選択を繰り返すことにより更に高親和性のクローンを得た(親和性成熟の実証)。 3)マウス濾胞樹状細胞株の樹立と機能解析 高頻度変異により多様化したB細胞が生体内で選択され、抗体の親和性が増大する過程(親和性成熟)の機構を解明するための基礎研究として、世界に先駆けてマウスリンパ節から濾胞樹状細胞(FDC)の株化に成功した。このFDC細胞株は、生体内での機能をよく保持しており、B細胞の変異と選択の機構をin vitroで解析するための有用な研究手段を提供すると考えられる。
|
Research Products
(3 results)