展開型宇宙インフレータブル構造の構成・展開・固化の研究

2004 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16360427
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: Kanazawa Institute of Technology
• Principal Investigator: 久保村 健二 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70308576)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小幡 正一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00298316) ; 飯島 孝 新日本製鐵, 先端技術研究所, 主幹研究員
• Keywords: 宇宙構造物 / インフレータブル / 展開実験 / 硬化 / 展開制御 / 伝熱特性

Research Abstract

3年間の本研究の目標は、モデルインフレータブル構造体を地上大気中で折り畳み、展開、熱硬化により展開形状を固定し、宇宙でのモデルインフレータブル構造実験を提案する事にある。初年度である平成16年度は、展開制御可能インフレータブル構造体(直径2mモデルと呼ぶ)の研究と展開硬化実験に必要な装置試作のためのデーターを取得することであった。
インフレータブル構造の展開抵抗を制御するために、CFRPリングに紐状のスプリング(ゴム紐)を組み込み内圧による展開抵抗を制御する方法を考案した。この方式で部分モデルの試作と直径2mモデルの試作により、展開制御実験を行い、展開制御が可能であると評価した。また、CFRPリングを組み込む事により折り畳まれた形状で全構造体にわたり内圧一定を得られる事も確認できた。しかし、CFRPリングに紐状スプリングの組込からCFRPリングの補強化が必要となり折り畳み形状に問題が生じた。本問題に対応す方式は考案済みであり、次年度に可能性を検討する。
インフレータブル構造体の部分モデルの展開・硬化実験を行なうため、空気加熱・循環装置を設計・製作した。本装置で、インフレータブル構造体の硬化時に相当すると考えられるレイノルズ数領域で0.01気圧から0.02気圧の範囲で、銅製の管体で減圧条件における内表面の熱伝達率測定実験を行ない管内の平均熱伝達データーを取得した。また、インフレータブル構造体構成素材で作成した管体で温度過渡特性を取得した。本年度の実験では加熱部での実験ではヒータ加熱の不具合とヒーターから供試体へ至るまでの管路の断熱が不十分であり、加熱・送風装置の設計には十分なデーターを得られなかった。次年度は実験装置の改良により設計に必要なデーターを9月/末までに取得し次年度の目的である展開・硬化実に必要な装置のスペックを決める。