2004 Fiscal Year Annual Research Report
船体強度設計における実用的な設計荷重設定法に関する研究
Project/Area Number |
16360443
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
深澤 塔一 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80143171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 隆夫 三菱重工業(株), 長崎研究所, 主席研究員
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Keywords | 船体構造設計 / 全船構造解析 / 設計不規則波 / 最悪短期海象 |
Research Abstract |
応答関数を用いた統計的手法を実際の船体構造設計に適用する場合、解析工数が膨大になるという問題以外に、荷重の非線形性と同時性をどう考慮するかという問題に直面する。これらを解決するためには「設計波」という概念を導入する必要が生ずるが、本研究では、設計波に対して「最悪短期海象」と「設計不規則波」という概念を用いた。まず、検討対象部位の応力レベルや応力発現頻度に有意な影響を及ぼす海象「最悪短期海象」を線形理論によって特定する。次に、その海象の中で最大応答を生じさせるような「設計不規則波」や疲労強度検討のための嵐モデルを生成する。「設計不規則波」中での応答については非線形荷重応答計算法と直接荷重法による構造解析を行い、また疲労強度に関しては「相似応答関数法」により応力応答関数を推定し簡便なき裂伝播解析を行う。得られた応力応答結果を基に推定手法の高精度化・簡略化を行い、精度が高く、現実の海象条件と明確な対応がつけられる実用的な設計荷重の設定法を提案することを目的とする。 平成16年度は、まず、対象船舶と対象強度を特定し、線形理論を用いて、運動と荷重の応答関数の計算を行った。次に、これらの結果を利用して、最悪短期海象中での設計規則波を想定し、各種波浪中での船体構造応答計算を行い、時系列計算として船体全船構造解析が問題なくできることを確認した。来年度以降は、運動・荷重・構造応答の短期予測・長期予測計算を行い、設計不規則波中での応答計算と不規則波中の応答シミュレーション計算結果を比較し、それぞれの最大値や有義値を検討し、設計不規則波の設定方法について検討を行う予定である。
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