2005 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物処分に関わる安全性検討のための沿岸地圏域地下水流動システムの探査技術開発
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16360448
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳永 朋祥 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (70237072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
六川 修一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50183710)
嶋田 純 熊本大学, 理学部, 教授 (80206169)
大久保 泰邦 産業総合技術研究所, 地質調査情報センター, 地質調査企画室長 (70356624)
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Keywords | 沿岸域地下水挙動 / 岩盤ボーリング / 間隙水 / 間隙水圧連続計測 / 塩素イオン濃度 / 拡散プロファイル / 熱赤外リモートセンシング |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き、以下の研究を実施し成果を得た。 熊本県宇土半島地域においては、昨年度掘削したボーリング孔から得られたコアサンプルを用い、昨年得られた塩素イオン濃度に基づく拡散プロファイルに加え、塩素安定同位体比を用いた拡散現象の定量的な検討を行なった。この解析のために必要な周辺地域の相対的海水準変動に関する既存データの収集を行い、また、堆積物の年代データを用いた堆積速度変遷を明らかにした。これらの成果に基づき、堆積・拡散の両現象を表現することが可能なモデルを構築した。さらに、3深度での間隙水圧連続計測を継続して実施し、ほぼ1年間にわたる連続データを取得した。間隙水圧連続計測では、その平均的な間隙水圧の静水圧からのずれが、深度方向へ大きくなることが明らかとなり、何らかの理由で過剰な間隙水圧が発生していることが示された。この原因に関しては、潮汐に伴う間隙水圧反応における位相の前進とともに明らかになっておらず、来年度引き続き検討を行なう予定である。 地表面からの計測に関しては、熱赤外リモートセンシングデータを用いた詳細な検討を行ない、その可能性と探査能力の限界を明らかにした。この結果に基づき、熊本県葦北郡福浦において、熱赤外リモートセンシングデータを用い、海底からの淡水性地下水湧出地点の把握を試みた。また、当該地点において、シーページメータ、比抵抗探査を用いた湧出地点・量の検討及び湾への流入河川水の流量継続観測を実施した。 塩素イオン濃度及び塩素安定同位体比を用いた定量的な検討を更に進めるため、霞ヶ浦におけるボーリング掘削及びコアサンプル採取を行った。コアからの間隙水抽出、分析や、堆積物を用いた年代測定・堆積環境推定等は現在進行中である。
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[Journal Article] Analysis of stable chlorine isotopic ratios and saline water diffusion model in sedimentary formation, Yatsushiro Bay, Japan2005
Author(s)
Kimura, Y., Tokunaga, T., Inoue, D., Shimada, J., Hase, Y.
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Journal Title
Eos Trans.AGU, Fall Meet.Suppl.
Pages: H51A-0342