2005 Fiscal Year Annual Research Report
間隙構造変化を考慮した天然ガス地層貯蔵の貯留層特性評価に関する研究
Project/Area Number |
16360450
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村田 澄彦 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30273478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 敏明 京都大学, 工学研究科, 教授 (90056151)
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Keywords | 天然ガス貯蔵 / 間隙構造モデル / 格子ボルツマン法 / 間隙形状係数 / 浸透率 / 残留流体飽和率 |
Research Abstract |
天然ガスの貯留層備蓄において,貯留層の許容ガス圧入量や圧入ガスの貯留層内での流動拡散挙動を正確に評価するため,ベレア砂岩に対し,間隙の面積をその周長の2乗で除した値で定義される形状係数をマイクロCT画像から再構築した間隙構造モデルの画素(ボクセル)数を直接数える方法で評価した。その結果,ベレア砂岩の間隙の形状係数は,約0.01となり,円の形状係数0.079や正方形の形状係数0.063に比べるとかなり小さいことがわかった。また,実験によりベレア砂岩の間隙圧の変化に対する間隙率の変化率は約0.016%/MPaであることが確認されたが,この値は,単純形状の間隙に対するFEM解析によって得られた形状係数と間隙率の変化率の関係から推定される値よりも小さく,実岩石に対して形状係数から間隙率の変化率を評価する方法については更に検討を要することがわかった。次に,ベレア砂岩について,二点相関法を用いて構築した間隙構造モデルとマイクロCT画像から構築した間隙構造モデルに対して,格子ボルツマン法による流動シミュレーションを実施してその浸透率評価を行った。その結果,浸透率と間隙率の間にはKozeny-Carmanの関係式が成立することが確認できた。また,小さい間隙の含有数は浸透率に大きく影響せず,間隙の連続性が同様であれば大きい間隙を含む割合が大きいものほど高い浸透率を示すこと,間隙径分布が同様であれば,間隙の連続性がよいものほど高い浸透率を示すことがわかった。さらに,格子ボルツマン法を用いて混じりあわない2つの液体について一方の流体を片方の流体で置換するシミュレーションを行い,置換される流体の残留状態を調べた。その結果,間隙の狭いコーナー部に流体が残留しやすく,間隙の形状が複雑になればなるほど残留量が多くなることが確認できた。
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Research Products
(3 results)