2005 Fiscal Year Annual Research Report
水溶液ジェットヘの高速イオン衝突により生成される二次電子・二次イオンの精密測定
Project/Area Number |
16360474
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 秋男 京都大学, 工学研究科, 教授 (90243055)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 裕実 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30216014)
今井 誠 京都大学, 工学研究科, 助手 (60263117)
松尾 二郎 京都大学, 工学研究科, 助教授 (40263123)
土田 秀次 京都大学, 工学研究科, 助手 (50304150)
山本 克治 京都大学, 工学研究科, 教授 (90191395)
|
Keywords | 液体ジェット / 高速イオン衝突 / エネルギ阻止能 / ブラッグピーク / 二次電子 / 生体高分子 / 二次イオン / 平均自由行程 |
Research Abstract |
平成17年度に実施した研究内容は、(A)液体分子線の安定化技術の確立、(B)液体分子線への照射技術の確立、(C)高速イオン照射による二次イオンの測定、(D)プロトンビームの液体中での阻止能、であり各々の概要は以下の通りである。 (A)液体分子線の安定化技術の確立(伊藤、今井、土田) 液クロマトグラフ用ポンプにより30気圧で加圧された溶液を直径20μmのアパーチャから噴出させ、真空中に液体ジェットを作成するものであるが、噴出量が時間的なやや変動するためこれを解決するするテスト実験を行った。その結果、液体の温度やポンプ圧力の二つを安定化することによってほぼ解決することができた。 (B)液体分子線への照射技術の確立(柴田、松尾、土田) 分子線の直径は20ミクロンと小さいため、照射するイオンビーム幅をこの大きさまで絞りこまない限り意味ある測定データにならない。そのため、2次元マイクロスリットをイオンビームライン上に設置し、1ミクロン精度でビーム幅を制御することに成功した。それにより、液中を透過するイオン成分と周囲を通過した成分の2つを明瞭に区別することができた。 (C)高速イオン照射による二次イオンの測定(伊藤、松尾、今井、土田) 液体標的の近傍に2枚のイオン引き出し極板をおき、パルスイオンとの飛行時間法で二次イオン質量分布を測定した。引出し部の改良を行ったがバックグラウンドがまだ高く精度よいデータにはなっていない。次年度に解決する予定である (D)プロトンビームの液体中での阻止能(伊藤、土田、今井、山本) MeV領域のプロトンビームの水中での阻止能は粒子線がん治療などの分野で重要な基礎データであるため、本測定データは画期的なものとして注目された。結果は国際会議並びにNuclear Instruments and Method Vol.B,245,(2006)pp.76-79に発表した。 以上に関する研究成果は、日本物理学会、国際会議SHIM2005(2005年5月、ドイツ)、国際セミナー(2005年10月、北京)等において発表した。
|
Research Products
(2 results)