2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16370003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
村上 洋太 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (20260622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 克典 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (60273926)
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Keywords | ヘテロクロマチン / RNAi / RNAポリメラーゼII / 分裂酵母 |
Research Abstract |
近年、セントロメア周縁部で見られるヘテロクロマチンがRNAi (RNA interference)関連因子群によって確立、維持される事が明らかとなった。具体的には、ヘテロクロマチン領域よりnon-coding RNAの転写が起き、RNA依存的RNAポリメラーゼによって生産されるdsRNAを基質としてDicer RNaseIIIがsiRNA (short interfering RNA)を生産し、そのsiRNAの一方の鎖を保持するRITS (RNA-induced transcriptional silencing)複合体がsiRNAの相同領域にリクルートされ、ヘテロクロマチンが確立・維持されると考えられている。 我々はRNAポリメラーゼII (RNAPII)がこのnon-coding RNAの転写をおこなうことを明らかにすると共に、分裂酵母のセントロメア周縁部ヘテロクロマチンが崩壊する新規変異としてRNAPIIの二番目に大きなサブユニットをコードする遺伝子rpb2の新規変異(rpb2-m203)を単離した。興味深い事に、rpb2-m203変異はnon-coding RNAの転写レベルに影響を与えずにsiRNA生産プロセスに欠陥を示す変異であった。また、rpb2-m203変異によってRNA依存的RNAポリメラーゼやRITS複合体のヘテロクロマチン局在が損なわれていた。これらの結果は、ヘテロクロマチン中のnon-coding RNAの転写とその後のsiRNAプロセシングの過程がRNAPIIによって共役される可能性を強く示唆している。さらに、野生型株とrpb2-m203株からRNAPIIを精製しRNAPIIサブユニット構成、結合因子を比較したところ、サブユニット構成には大きな違いはないが、rpb-m203に特異的に結合、あるいは結合しなくなる因子が存在することがわかり、その同定を試みている。
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