2006 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫視葉概日時計ニューロンの同定による概日リズム発現機構の解析
Project/Area Number |
16370037
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Research Institution | OKYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
富岡 憲治 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30136163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 顕 九州大学, 高等教育総合開発研究センター, 助手 (40229539)
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Keywords | コオロギ / 時計遺伝子 / 視葉 / 概日時計 / RNA / RNA干渉 / 活動リズム / period |
Research Abstract |
1.フタホシコオロギtimelessのクローニングを行い全長cDNAを得た。キイロショウジョウバエとほぼ同様のドメイン構造を持ち、アミノ酸配列の相同性はほぼ40%であることがわかった。 2.幼虫頭部から抽出したmRNAを用いて、Real-time RT-PCRによりperiod, timelessのmRNAの発現リズムを検討し、明暗周期下で夜にピークを持つリズムを示すこと、そのリズムは恒暗条件下でも継続することを明らかにした。 3.Periodの2本鎖RNAを合成し20μMに調整し、幼虫あるいは成虫の腹部にそれぞれ207nlおよび759nl投与することで、活動リズムが完全に消失することを見出した。幼虫頭部のperiod mRNA量は、period2本鎖RNA投与後には対照群の1/4にまで低下することから、この結果は2本鎖RNAによるRNA干渉でmRNAが低下し、それにより時計が停止したと説明できる。一方、この効果は少なくとも30日にわたって継続したことから、2本鎖RNAを増幅する系があることが示唆された。 4.2本鎖RNAの投与により無周期となったコオロギから、視葉を単離し、培養下でその電気活動を計測した。その結果、電気活動に全く概日リズムは観察されなかった。従って、RNA干渉によるリズムの停止は、時計組織そのもので生ずることが明らかとなった。 5.In situ PCR法により、periodを発現する時計細胞の探索を行った。その結果、視葉外キアズマ付近の細胞が標識され、period mRNAを発現するらしいことがわかった。今後、PCR条件等の詳細な検討を必要とするが、これらの細胞が時計細胞である可能性が高い。
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Research Products
(6 results)