2007 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫の光周性における光受容器から出力系に至る中枢機構の解明
Project/Area Number |
16370038
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
沼田 英治 Osaka City University, 大学院・理学研究科, 教授 (70172749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志賀 向子 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (90254383)
後藤 慎介 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70347483)
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Keywords | 光周性 / period / RNA干渉法 / クチクラ形成リズム / timeless / ホソヘリカメムシ / ルリキンバエ |
Research Abstract |
光周性の神経機構には、光受容器・光周時計、出力系が含まれる。本研究では、ホソヘリカメムシとルリキンバエにおいて、光周性における光受容器から出力系にいたる中枢機構を明らかにすることを目的とする。本年度はホソヘリカメムシではRNA干渉法の確立、ルリキンバエでは時計関連遺伝子の発現に注目して、以下の結果を得た。 【ホソヘリカメムシ】 RNA干渉法が可能かどうかを明らかにするため、まず、RNA干渉による後脚脛節クチクラ形成リズムの阻害実験を行った。このクチクラ形成リズムには概日時計が関与することがこれまでの実験で示されている。period2本鎖RNAの注射により、多くの個体でクチクラ形成層が消えることから、クチクラ形成リズムにはperiodが関与すること、ホソヘリカメムシにおいてRNA干渉法が可能であることが明らかになった。 【ルリキンバエ】 概日時計関連遺伝子periodの二本鎖RNAを成虫の腹腔内あるいは脳内PERIOD発現細胞(LNv)の細胞体近くに注射することにより、RNA干渉法による遺伝子ノックダウンを試みた。これらの個体の活動リズムを観察し、遺伝子発現を調べたところ、活動リズムが無リズムで遺伝子発現が抑制されている個体はほとんど無くperiodのノックダウンは困難であることがわかった。次に、periodとtimeless遺伝子の発現を長日条件と短日条件で比較したところ、光周期にかかわらず明期のはじめに発現量の低下が観察され、これらのパターンは二つの遺伝子でほぼ共通していた。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] 成虫休眠の神経機構2007
Author(s)
沼田 英治
Organizer
第59回日本衛生動物学会大会
Place of Presentation
大阪市立大学,大阪市
Year and Date
2007-04-02
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より