2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16370054
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
赤坂 一之 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (50025368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 雅夫 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (20258065)
安東 由喜雄 熊本大学, 医学部, 講師 (20253742)
橘 秀樹 神戸大学, 理学部, 助教授 (70126118)
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Keywords | 高圧NMR / ニワトリリゾチーム変異体 / アミロイドプロトフィブリル / 高圧蛍光 / 圧力解離 / 原子間顕微鏡 / 活性化体積 |
Research Abstract |
赤坂らは、独自に開発した高圧NMRや、CD,蛍光、沈降速度測定、電子顕微鏡等を用いて、自然に変性状態にあるニワトリリゾチームのOSS変異体が、弱酸性の水溶液で凝集体をつくることを発見し、これを長期保存するとアミロイド様の凝集体を形成することを明らかにした。さらに、この凝集体が加圧によってモノマーに解離する新しい現象を発見し、この現象に基づいて、凝集体形成現象の熱力学解析に初めて成功した。さらに、原子間顕微鏡を用いて、この凝集体がプロトフィブリルであることを明らかにし、このプロトフィブリルが数千気圧への突然の加圧(圧力ジャンプ)による、モノマーへの解離過程と、減圧による再結合過程を、実時間プロトンNMRスペクトルにより追跡することにも成功した。ついで、この解離速度が圧力に強く依存することを発見、トリプトファンの高圧蛍光スペクトルによって解離測度の圧力依存性、温度依存性を詳しく解析し、解離にいたる遷移状態の、活性化体積、活性化圧縮率、活性化エンタルピー、活性化エントロピー、などの基本的な情報を得た。これから、OSSプロトフィブリルはキャビティーをもつ柔らかい構造で、遷移状態ではこれが部分的に水和したよりかたい構造をとると考えられる。
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Research Products
(4 results)