2006 Fiscal Year Annual Research Report
精子の形成と機能におけるカルシウム動員情報伝達系の役割
Project/Area Number |
16370064
|
Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Sciences |
Principal Investigator |
深見 希代子 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (40181242)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 由和 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (60366416)
|
Keywords | 精子 / ホスフォリパーゼC / カルシウム / 受精 |
Research Abstract |
受精においては、カルシウムの上昇が種々のステップで重要な役割を担っている。そこでカルシウム動員系の要の酵素であるホスホリパーゼC(PLC)デルタタイプおよびデルタタイプと非常に構造が似ているゼータタイプの受精における機能解析を行なった。 PLCδ4は、精子先体反応時に細胞内のカルシウム上昇のみならず、細胞外からのカルシウム流入も制御する可能性が示唆されている。そこでどの様にPLCδ4がカルシウム流入を制御するのか、介在するチャネルなどのタンパク質を同定することを月的として精巣のライブラリーを用いた酵母Two-hybrid法を行った所、glutamate receptor interacting protein 1(GRIP1)がPLCδ4と結合するタンパク質として見出した。GRIP1はグルタミン酸受容体と結合し、このチャネル活性を制御することが報告されている。両者の結合は精子の成熟の段階によって変化することから、PLCδ4とGRIP1の相互作用が精子形成に関与している可能性が示唆された。 次に受精時の卵での精子由来のカルシウム誘導因子と同定されたPLCzeta以外に、精子由来カルシウム誘導因子が存在するかを検討した。ブタ精子から卵でのカルシウム上昇活性を指標に精子由来のカルシウム上昇因子の精製を行なった結果、PLCzetaが検出されないカラム画分に強いカルシウム誘導活性が検出された。このことはPLCzeta以外の精子由来カルシウム上昇因子の存在を強く示唆していた。そこで更にPLCzetaのN端、C端に対する抗体等を用いて詳細に検討した所、PLCzetaのXドメインとYドメイン間で切断された2つのフラグメントがこの活性画分に存在することが明らかになった。このことは、PLCzgtaがカルシウム上昇因子であることを強く支持すると共に、PLCzetaが生体内においても2つのフラグメントとして存在し、カルシウム誘導活性の制御を行っていることを示すものである。
|
Research Products
(6 results)