2006 Fiscal Year Annual Research Report
「コミュニティ・エフェクト」を明らかにするオンチップ一細胞計測解析技術の開発
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16370068
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安田 賢二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (20313158)
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Keywords | マクロファージ / アガロースマイクロチャンバー / 圧力効果 / 心筋細胞ネットワーク / QT延長 / テタヌス刺激 / DNAアプタマー / 金ナノ粒子 |
Research Abstract |
(1)微細加工技術を用いた1細胞ベースでの(細胞相互作用制御+細胞培養+細胞状態観察)技術の開発 今年度はまず、神経細胞、心筋細胞に焦点を絞って、細胞がネットワークを形成することによって獲得する新しい情報を計測することができる技術の開発と、この技術によって得られる情報の解析を目指した。具体的には、神経については、1次元に直線状に配置しながら長期刺激・計測ができる培養システムに改良して、軸索・樹状突起方向制御によって細胞の情報伝播方向が制御された神経ネットワークに対して、テタヌス刺激を与え、その応答の時間変化を日単位の長期たわたって計測し、他の雑音がない場合に、獲得された情報がどのように保持され、消滅するのかを計測することに成功し、さらにその特性を定量的に解析することに成功した。心筋ネットワークについては、培養システムに薬剤交換システムを付加して、医薬品などでサイドエフェクト毒性が報告されている薬剤を投与し、その影響がどのように細胞拍動パターンに反映されるのか、そして、薬剤を除去した後に、拍動は完全に元に戻るのか、ヒステリシスを持つのか、細胞が経た環境からの履歴と心筋細胞ネットワークサイズとの関係を検討し、心筋細胞の拍動の同期が、ゆらぎの小さい細胞に、ゆらぎの大きい細胞が同調することを確認した。また、心筋細胞集団の同期現象においては、細胞の数が安定化にとって最も重要な要素であり、その空間配置の違いに拠らないことを明らかたした。 さらに、今年度は、大腸菌、酵母の1細胞培養技術を用いた世代間での後天的獲得情報の伝承、細胞分裂時に2つの子供細胞の情報がどの段階から分かれるのか、などを明らかにすることができた。 免疫系における獲得情報の理解についても、マクロファージに貪食をさせて、その結果の細胞の応答を1細胞計測技術を用いて明らかにすることができた。 (2)極微量定量発現解析技術の開発 走査型電子顕微鏡およびAFMを用いて、ターゲット基板上でのプローブDNA金ナノ粒子の個数と空間分布を計測する技術の定量性について検討し、異なるサイズの金微粒子を用いて、fM程度のDNAであっても直接PCE無しでも計測できることを確認した。またAFMにおいても、プローブにカーボンナノチューブを用いた場合には、細胞の粗い表面に付着した金付着した金ナノ粒子であっても計測可能であることを確認した。
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Research Products
(25 results)