2007 Fiscal Year Annual Research Report
「コミュニティ・エフェクト」を明らかにするオンチップ-細胞計測解析技術の開発
Project/Area Number |
16370068
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
安田 賢二 Tokyo Medical and Dental University, 生体材料工学研究所, 教授 (20313158)
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Keywords | マクロファージ / アガロースマイクロチャンバー / 圧力効果 / 心筋細胞ネットワーク / QT延長 / テタヌス刺激 / DNAアプタマー / 金ナノ粒子 |
Research Abstract |
(1)細加工技術を用いた1細胞べースでの(細胞相互作用制御+細胞培養+細胞状態観察)技術の開発 今年度は最終年度ということで、神経細胞、心筋細胞に焦点を絞って、細胞がネットワークを形成することによって獲得する新しい情報を計測することができる技術の開発と、この技術によって得られる情報の解析を推進した。具体的には、神経については、装置性能、および培養方法・計測方法を改良することで、単一神経細胞から伸長する神経突起1本レベルでの計測が可能となる計測技術を確立した。また、開発した1次元に直線状に配置しながら長期刺激・計測ができる培養システムに、新規に興奮性ニューロンと抑制性ニューロシを識別するためのノックインマウスを新たに導入し、この細胞の蛍光の有無の違いによって、神経細胞種を識別し、さらに軸索・樹状突起方向制御によって細胞の情報伝播方向が制御された神経ネットワークの構築に世界で初めて成功した。心筋ネットワークについては、より、心臓臓器に近いコミュニティエフェクトを実現できる「リエントリーモデル」の構築に成功し、これを用いることで、期外収縮の発生をモデル上で実験的に再現することに、これも世界で初めて成功した。さらに、今年度は、大腸菌の1細胞培養技術を用いた世代間での後天的獲得情報の伝承、細胞分裂時に2つの子供細胞の情報がどの段階から分かれるのかについて、膜たんぱく質の局在の世代間伝承によって計測する研究をまとめる実験を推進した。免疫系における獲得情報の理解についても、マクロファージに貪食をさせて、細胞に与える刺激を複数の抗原で与えたところ、その順序を細胞表面は記憶していることを確認した。
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Research Products
(53 results)