2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16370077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大森 治夫 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (10127061)
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Keywords | DNAポリメラーゼ / DNA損傷バイパス / タンパク質間相互作用 / Polη / Polι / Polκ / REV1 / PCNA |
Research Abstract |
通常の複製型DNAポリメラーゼは鋳型DNA上の損傷を持つ箇所に遭遇するとそこで進行を停止してしまうので、損傷を乗り越えてDNA合成を継続することの出来る損傷バイパス型DNAポリメラーゼに置き換わることが必要である。このような損傷バイパス型DNAポリメラーゼは細菌からヒトまで広く保存されており、ヒトでは損傷バイパス型DNAポリメラーゼはYファミリーに属するPolη,Polι,Polκ,REV1の四種類に加えてBファミリーに属するPolζやAファミリーに属するPolθなどが存在する。筆者らのこれまでの研究からPolη,Polι及びPolκはいずれもREV1のC末端部分と相互作用することが明らかになっている。PolκとREV1との相互作用の様式を明らかにするために、yeast two-hybrid assay法を用いてどの領域が相互作用に必須であるかを明らかにする実験を行った。Polκは全長870アミノ酸から構成されるが、そのうちの560-615からなる16アミノ酸さえあればREV1との相互作用には充分であることが分かった。実際、このようなアミノ酸配列を持つペプチドはREV1のC末端に結合することを表面プラスモン共鳴法により確認した。この16アミノ酸中にはフェニルアラニン(F)が二つ並んだFFという配列が存在するが、このFF配列をアラニン(A)が二個並んだ配列(AA)に変えたペプチドはREV1のC末端に結合しなくなった。全長のPolκにおいてもこのFF配列をAAに変えると、REV1との相互作用能は完全に消失した。一方、PolκのC末端近傍にもFFという配列が存在するが、こちらはPCNAとの相互作用に関与すると考えられている。このC末端近傍のFF配列をAAに置換してもREV1との相互作用に対する影響は全く認められなかった。今後はhREV1のC末端部分の立体構造を解析することにより、ペプチドータンパク質間の相互作用を原子レベルで明らかにしたいと考えている。
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Research Products
(5 results)