2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16370077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大森 治夫 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (10127061)
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Keywords | DNA損傷 / 損傷バイパス複合体 / タンパク質間相互作用 / REV1 / Pol kappa / proline / ペプチド / タンパク質の二次構造 |
Research Abstract |
ヒトやマウスにおいてDNA損傷バイパスに関わるDNAポリメラーゼはPolη、Polι、Polκ、REV1(これら四つは構造的に類似しているのでY-ファミリーに分類される)、そしてPolζ(先の四つとは構造的に異なるのでB-ファミリーに分類される)など、複数存在する。Y-ファミリーに属する酵素は一つのサブユニットから成るが、Polζは触媒活性を持つREV3と機能不明のREV7の二つのサブユニットから構成される。REV7がREV1のC末端部分(REV1-CTD)に結合することは以前から知られていたが、我々及び他のグループの最近の結果から、Polη、Polι、PolκもまたREV1-CTDに結合することが明らかになった。こうして、REV1が損傷バイパス機構において中心的な役割を果たすと考えられるようになった。更に我々はREV1-CTDへの結合に必要な配列について、以下のような結論を得た。1)REV1-CTDとの結合に必要なPolκの配列はその中央部分に存在し、フェニルアラニンが二つ並んだFFモチーフ配列を含む10個以下の短いアミノ酸配列が必要、且つ充分である。PolκにはFF配列がC末端近傍にもう一箇所存在するが、そちらはPCNAとの結合に関わり、REV1-CTDとの結合には関与しない。2)Polιの場合にはFF配列は中央部分に一箇所存在し、実際その配列がREV1-CTDとの結合に関与する。3)Polηの場合にはFF配列はN末端とC末端に一箇所ずつと中央部分に二個所と、合計四箇所存在するが、中央部分の二個所の両方ともにFF-AAという置換を持つ場合にはREV1-CTDとの結合能が著しく減少した。4)PolκのREV1-CTD結合配列にはFFのC端側に5個以上のアミノ酸が存在することが必要であるが、Polη、Polι、PolκのREV1-CTD結合配列にFFモチーフ以外に共通のアミノ酸は存在しない。FFのC端側のアミノ酸をprolineに変えた場合にはREV1-CTDに結合しなくなるので、おそらく主鎖間におけるβ-strand構造がこのようなタンパク間相互作用に重要であると考えられる。
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Research Products
(3 results)