2004 Fiscal Year Annual Research Report
スプライシング依存性複合体EJCによる神経細胞でのmRNA局在化機構の解析
Project/Area Number |
16370078
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片岡 直行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (60346062)
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Keywords | スプライシング / Y14 / Magoh / EJC / RNA局在 / 神経細胞 |
Research Abstract |
高等真核生物では、核に保存される遺伝情報が、細胞質でタンパク質として発現するまでに様々な過程が存在する。近年、真核生物における遺伝子発現の諸過程は独立して起こるわけではなく、お互いが密接に関連しあっていることが明らかになってきた。その一例として、スプライシングとその下流の過程の連携がある。スプライシングは、エクソンとエクソンの境界付近にexon junction complex(EJC)というスプライシング依存性複合体を残すことで遺伝子発現に影響を与えることが明らかになった。EJCの構成因子であるY14とMagohは、核内でmRNA上に結合した後、細胞質に輸送されてからもmRNA上にとどまる。このことから細胞質でのRNA局在に関わることが強く示唆されていた。さらに、キイロショウジョバエにおける解析からも、この二つのタンパク質が、卵母細胞におけるoskar mRNAの細胞質内局在に関わることが示された。 本研究は、スプライシングと局在との関係について、神経細胞をモデルとし、この二過程の連携に関与する因子を含めて包括的に解析することを目的としている。そしてその方法としてY14-Magoh複合体に特異的に結合する因子を単離するため、酵母three-hybrid法を用いたスクリーニングを行った。市販のベクターを改変し、Y14を転写因子のDNA結合ドメインとの融合タンパク質として、Magohを同じプラスミドの上から恒常的に発現できるようにし、ヘテロダイマーにのみ特異的に結合する因子の同定を試みた。スクリーニングにはヒト脳由来のライブラリーを用い、神経特異的に発現している因子の単離を目指した。また同時に逆の組み合わせとして、Magohを融合タンパク質として発現するスクリーニングも併せて行った。現在多数の陽性クローンが得られており、in vitroにおける結合実験でその特異的な結合を検定中である。
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