2006 Fiscal Year Annual Research Report
染色体複製開始とその制御を行う、動的かつ複合的蛋白質高次装置の機能構造特性
Project/Area Number |
16370081
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Research Institution | KYUSHU UNIVERCITY |
Principal Investigator |
片山 勉 九州大学, 大学院薬学研究院, 教授 (70264059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 正 九州大学, 大学院薬学研究院, 教授 (90184928)
麻生 真理子 九州大学, 大学院薬学研究院, 助手 (30201891)
末次 正幸 九州大学, 大学院薬学研究院, 助手 (00363341)
胡桃坂 仁志 早稲田大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (80300870)
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Keywords | DNA複製 / DnaA / 細胞周期 / DNAポリメラーゼ / タンパク質複合体 / タンパク質機能構造解析 / ATP / プロテオミクス |
Research Abstract |
DnaA蛋白質は複製起点と複製開始複合体を形成して2重鎖DNAの開裂という開始反応を遂行するほか、複製開始制御機構の標的因子ともなっている。本計画研究では、複製開始反応と開始制御反応の分子機構を、DnaAが直接関わる、動的かつ複合的蛋白質相互作用として、特に蛋白質構造に基づいて理解する」ことを目指した。 1.全長DnaAの構造解析と複製開始複合体の構造解明 まず、超好熱菌由来のDnaA蛋白質を用い複製開始複合体の結晶作成を進めた。さらに、大腸菌DnaAのN末ドメインのNMR解析を完遂し、立体構造解明に成功した。これに基づき、変異体解析も進め、複製開始複合体形成時のDnaA-DnaA相互作用におけるN末ドメインの役割を解明した。加えて、DnaBヘリカーゼ装着におけるN末ドメインの機能構造を初めてアミノ酸残基レベルで解明した(JBC)。また、DnaAの機能構造とATP複合体形成動態との相関解析を進め、新たな機能構造の役割を解明した(Mol.Microbiol.)。さらに、2重鎖DNAの開裂反応に特異的欠損をもつDnaA変異体の解析を進め、複製開始における新たなメカニズムモデルを作成し検証した(論文執筆中)。 2.RIDA分子機構解明:DnaA/Hda/クランプ相互作用機構・機能構造相関 Hda機能のヌクレオチド結合による制御の分子機構解明を進め、Hdaの複合体形成との相関を見いだした(論文執筆中)。クランプの機能構造解析を進め、Hdaとの相互作用機構を検討した。 3.DnaA, Hda,クランプ相互作用因子探索 新規のクランプ結合因子の機能解析を進めた。さらにDnaA相互作用因子の探索をプロテオミクス手法で行い、多種の因子を同定した。機能解析を進めている。 4.新規DnaA相互作用因子の機能構造解析:DnaA-DiaA複合体の機能解析 DnaA-DiaA複合体が複製開始複合体の形成促進を行うことを初めて解明した(論文投稿中)。 5.蛋白質構造とその機能特性に基づいた阻害剤設計と開発 DnaAドメインIVを結合標的とした化学修飾オリゴヌクレオチドを設計し、合成に成功した。これを用いて結合様式などの解析を進めた。
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Research Products
(7 results)