2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16370087
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平田 大 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (30243603)
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Keywords | 成長極性 / チェックポイント / 細胞周期 / 細胞骨格 / 情報伝達 / 細胞周期 |
Research Abstract |
本研究では、分裂酵母において見出されたmor2変異体による成長極性異常をモニターする新規チェックポイント機構について解析し、以下の知見を得た。 1.シグナル経路による細胞周期制御機構の解析(wee1様変異株の解析) mor2変異による細胞周期停止には、Wee1キナーゼの活性化が重要であることを見いだしている。そこで、mor2変異による異常シグナル伝達経路によって制御されるWee1の新たな調節分子を同定するため、wee1様変異株と同様、高温で細胞サイズの減少する変異株を取得・解析した結果、それらの変異の原因遺伝子として、複数のキナーゼを同定した。そこで、これらのキナーゼがmor2変異による細胞周期遅延に重要かどうか検討するため、二重変異体を構築し表現型を詳細に解析した結果、それらの中で、mor2wel2二重変異体では細胞周期遅延が起こらず致死性を示すことがわかった。 2. Mor2が関与する成長極性制御機構の解析 これまでに、mor2変異の高温での極性欠損や微小管重合阻害剤感受性などの表現型を抑圧する抑圧変異株を複数、取得した。そこで、それらの原因遺伝子を同定したところ、Mor4がNak1キナーゼであることがわかった。さらに、Mor2やNak1と機能関連する分子として、進化上保存されたMO25蛋白質Pmo25を見出した。Pmo25-Nak1と、Mor2との機能的ヒエラルキーを、局在や下流キナーゼの活性測定等により解析したところ、これらは、Mor2-Orb6の上流で機能することが示唆された(M.Kanai et al.,EMBO J.2005)。 3. mor2変異株における細胞骨格(微小管)ダイナミクスの解析 mor2変異体は微小管重合阻害剤に感受性を示すが、この表現型と細胞極性異常との関係は不明である。そこで、mor2変異体での微小管ダイナミクスを詳細に解析したところ、Mor2が微小管の機能発現に関与する可能性を見出した。 以上の結果を踏まえ、本年度は、上記1と3を中心に、さらに研究を進めたい。
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Research Products
(1 results)