2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16370097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
藤沢 敏孝 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助教授 (60000262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 裕 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 助手 (60178986)
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Keywords | ヒドラペプチドプロジェクト / ヒドラESTプロジェクト / 新規神経ペプチド / ヒドラ神経系のコンパートメント |
Research Abstract |
(1)ヒドラペプチド及びペプチド遺伝子の同定と発現解析(藤澤):現在進行中のペプチドプロジェクトとESTプロジェクトの併用で、新規神経ペプチド、Hym-65を同定し、且つその遺伝子をも同定した。この遺伝子には今ひとつのアミド化ペプチドがコードされていると推定された。発現は体中をほぼ均一に存在する神経小集団で見られた。Hym-65ペプチドは上皮ヒドラ(内外両上皮筋肉細胞のみからなるヒドラ)の体幹を収縮させることから神経-筋接合部位で作用する神経伝達物質と考えられた。 (2)(2)神経小集団のコンパートメント維持機構の解析(藤澤):今年度はヒドラ足柄下半部に極在する神経ペプチドHym-176を発現する神経小集団の維持を抗BrdU/Hym-176遺伝子in situ hybridizationダブル染色法で調べた。その結果、Hym-176^+神経集団はすべて神経前駆体細胞からの分化で維持されており、既存の神経の分化転換はなかった。 (3)コンパートメントとその中の神経機能との関係(清水):Hym-176を発現する細胞集団がなぜ足柄下半部に局在する必然性があるのかを、Hym-176ペプチドの機能を見ることで推察した。Hym-176は高濃度(10^<-5>M)で上皮ヒドラの体幹を著しく収縮させるが、10^<-6>Mでは足柄部のみの収縮を惹起した。このことからコンパートメントの機能は局部的に働く神経ペプチドを局在させるものであると結論した。 (4)進行中の網羅的ペプチド同定を引き続き行い、約100個のペプチドを単離し、構造決定した。また、米国のカリフォルニア大学アーヴァイン校のBode教授と共同研究でヒドラ初期胚のcDNAライブラリー作製に協力した。
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