2004 Fiscal Year Annual Research Report
ADAMプロテアーゼによる細胞移動制御機構の抑圧変異解析
Project/Area Number |
16370098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西脇 清二 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, チームリーダー (30342827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 幸彦 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 研究員 (70333325)
大蔵 清貴 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 研究員
伊原 伸治 独立行政法人理化学研究所, 細胞移動研究チーム, 基礎科学特別研究員 (70373272)
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Keywords | 細胞移動 / ADAM family / C.elegans / 変異体 |
Research Abstract |
1.fbl-1遺伝子の解析 線虫C.elegansの分泌型ADAMプロテアーゼMIG-17は生殖巣の前後両端のDistal Tip cells(DTCs)に生殖巣の外部から働きかけ、その移動をコントロールすることにより、生殖巣の形態形成を促進する。我々は、カルシウム結合細胞外基質分子フィブュリン-1の優性変異が、MIG-17欠損によるDTCsの移動異常を抑圧できることを発見した。線虫C.elegansでは選択的スプライシングによって哺乳類のフィブュリン-1Cとフィブュリン-1Dに相当する2つのアイソフォームが作られるが、変異型のフィブュリン-1Cホモログ(FBL-1C)のみがmig-17変異を抑圧できた。野生型のFBL-1Cタンパク質は、腸から分泌されMIG-17依存的に生殖巣の基底膜に強く局在することが判明した。一方、変異型のFBL-1Cタンパク質は、生殖巣基底膜への局在が野生型のFBL-1Cタンパク質に比べて弱く、MIG-17の活性に非感受性であることが判明した。以上のことから、変異型のFBL-1Cタンパク質は、生殖巣基底膜における分子密度の減少を補う新たな機能を獲得した可能性が示唆された。我々はMIG-17によるタンパク質分解活性が、野生型FBL-1Cタンパク質を生殖巣基底膜にリクルートし、生殖巣基底膜に局在した野生型FBL-1Cタンパク質がDTCのガイダンスシステムに必須の役割を果たす可能性を提唱する。一方、変異型FBL-1Cタンパク質は、MIG-17によるタンパク質分解活性の下流で引き起こされるガイド機構をMIG-17非存在下で模倣できると考えられる。 2.X染色体上の抑圧変異遺伝子の解析 この遺伝子はSNPマッピングによりクローニングを行い、IV型コラーゲンα2鎖をコードするlet-2遺伝子であることが判明した。
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Research Products
(2 results)