2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鳥山 欽哉 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (20183882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 剛 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (30301039)
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Keywords | 花粉 / 情報伝達 / エキシン / ポーレンコート / 自家不和合性 / シロイヌナズナ / 雄性不稔 |
Research Abstract |
1.エキシン合成に異常がある変異体の解析 mojyaoと名付けた変異体は、植物体全体が矯性を示し、花糸が短いために自家受粉が起こらず雄性不稔を示した。プライムエキシンは薄く、スポロポレニンははじめランダムに小胞子に付着したが、プロバキュラは形成されず、スポロポレニンは葯腔に蓄積していた。しかし、その後、正常な花粉が形成された。ラフマッピングを行なったところ、ブラシノステロイドの合成に関わるDE-ETIOLATED2遺伝子が原因と考えられたが、相補性試験の結果、異なる遺伝子が原因であることが明らかとなった。Mojyao変異体の原因遺伝子同定のため、精密マッピングを行なった。本研究により、エキシン合成の足場となるプライムエキシン、および、エキシンの柱になるバキュラの形成が胞子体型に支配されることを明らかにし、花粉壁構築の分子基盤に関する新たなモデルを提唱した。 2.花粉が吸水するためのシグナルの探索 ポーレンコートに異常のあるflp1変異体ホモ個体から得た種子にEMS処理を行い、そのM2世代において花粉の吸水反応が復帰する変異体のスクリーニングを行った。現在までに約20,000個体のスクリーニングを行ったが、目的の変異体は得られなかった。さらなるスクリーニングが必要であると考えられた 3.種間不和合性を決定する遺伝子の解析 種間不和合性は、多数の系統を用いた解析から、単純な質的形質ではなく量的形質であることが分かったため、QTL解析を行うための多数のDNA多型マーカーを作成することとした。独自のDNAマーカー(SNPマーカーまたはPCR-RF-SSCPマーカー)を開発した。種間不和合性に関わる遺伝子のラフマッピングをするための準備が整ったと考えている。
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