2005 Fiscal Year Annual Research Report
超遠縁作物間の雑種胚における染色体脱落機構の解明(II)
Project/Area Number |
16380007
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
辻本 壽 鳥取大学, 農学部, 教授 (50183075)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 裕之 鳥取大学, 農学部, 助手 (70283976)
|
Keywords | 遠縁交雑 / 胚発生 / X線照射 / FISH / GISH / コムギ / トウジンビエ / エンバク |
Research Abstract |
コムギにトウモロコシを交配した後、植物ホルモンを処理し、経時的に胚発生の状況を調査した。しかしながら、胚形成率が悪く(数パーセント以下)、また、実験系が不安定であり、ゲノム内での動原体特異的タンパク質の所在を解明するまでにはいたっていない。そこで花粉親とするトウモロコシの品種を変更した。その結果、約30%と高い胚形成率を示した。これにより、効率よく受精初期胚を得たが、細胞分裂増を得るには、さらなる観察法の改善が求められた。一方、エンバク×トウモロコシの交配では雑種胚を多数得ることができ、一部の胚は、トウモロコシ染色体を有することをゲノミック・in situハイブリダイゼーション法(GISH)で確認した。また、コムギ×トウジンビエでは、胚形成を確認したが、全て半数体であった。トウジンビエについては、反復DNAを抽出し、これを蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)のプローブにした結果、この配列が動原体周囲にあることを見出した。また、その観察過程で多糸染色体を見出した。ところで、コムギ×トウモロコシで、発生中の幼胚に様々な線量のX線を照射したが、適正線量が明らかでなかったために、胚救助を行う時期(14日後)に正常胚まで成長しているものはなかった。そこで、胚形成率が高く、胚救助が不要なコムギ×ライムギの組み合わせの交配をモデルとして行い、交配後、X線を照射して幼胚に染色体切断を誘発する適正線量を算出した。初期胚は、きわめて、X線に対して感受性が高いことが明らかになった。
|