2007 Fiscal Year Annual Research Report
イネ種子プロラミンのプロテインボディへの集積機構の解明
Project/Area Number |
16380009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
熊丸 敏博 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 准教授 (00284555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 光 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (70128031)
小川 雅広 山口県立大学, 生活科学部, 教授 (10160772)
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Keywords | 細胞・組織 / 遺伝学 / ゲノム / 種子 / 植物 |
Research Abstract |
1、プロラミンのPBIへの集積 イネCys-richプロラミンは3つの分子種(10kD,15kD,16kD)から構成され、Cys-poorプロラミン(13kD)と共に、プロラミンPB(PBI)を形成する。前年度までの結果から、PBIは10kDプロラミンを中心部に集積し、PB構造の安定化のために核を形成していると推察した。10kDプロラミンが減少したesp3変異体のPBIでは核構造は認められず、10kDプロラミンの集積も認められなかった。さらに、野生型と比較して肥大化、変形したPBIが多数認められた。これらの結果はesp3変異体において、10kDプロラミンの欠損によりPBIの内部構造が脆弱であることを示している。10kDプロラミンがPBI構造の安定化のために核を形成する役割りを有している果考えられる。 2、Esp1遺伝子の単離と機能解析 Cys-poorプロラミン減少型変異遺伝子esp1の原因候補遺伝子、翻訳終結因子eRF(Eucaryotic Release Factor)1について、プロモータ領域を含むゲノムeRF1遺伝子を単離し、RFP遺伝子と連結したコンストラクトをesp1変異体に導入した。得られた再分化個体の自殖種子のタンパク質をSDS-PAGEによって解析した結果、野生型とesp1型が3:1に一致する分離を示した。さらに、これらの種子におけるRFPタンパク質の発現を調査した結果、全ての野生型の種子でRFPタンパク質の発現が認められたが、全てのesp1型でRFPタンパク質の発現が認められなかった。これらの結果はeRF1遺伝子によってesp1変異体が野生型に復帰したことを示し、Esp1遺伝子はeRF1をコードしていることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)