2005 Fiscal Year Annual Research Report
作物の耐旱性に関わる根系の生理・機能的形質とその遺伝機構
Project/Area Number |
16380015
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山内 章 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30230303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 彰 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (50231098)
犬飼 義明 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (20377790)
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Keywords | 可塑性 / QTL / 信号物質 / 浸透圧調節 / 染色体部分置換系統群 / 根 / 水ストレス |
Research Abstract |
イネ根による信号物質の生産 根系の一部が乾燥土壌にアクセスする条件下では、葉身水ポテンシャルが低下する前に気孔コンダクタンスが低下し始め、その際に根、葉身ならびに導管出液内のABA濃度が上昇することを認めた。また、乾燥土壌内の根を切除すると、気孔コンダクタンスと同時に葉身水ポテンシャルが再び上昇したことから、根で生産されたABAと、hydraulicな信号の双方がこの現象に関与していることが示唆された。 水ストレス条件下における浸透圧調節機能 トウモロコシ根において、水ストレス条件下で浸透圧調節機能が働いて膨圧が維持されることによって伸長速度が維持されること、また浸透圧調節に、カリウム、還元糖、各種アミノ酸が部位やストレス開始後時間によって役割の程度を変化させつつ関わっている実態を明らかにした。さらに、水ストレス下で親根の根軸に蓄積するスクロースが側根発生に重要な役割を果たしていることも明らかにした。 側根の可塑性に関わるQTL解析 これまでの国際イネ研究所との一連の研究の中で、CT9993とIR62266を親として作出した半数体倍加系統(144系統)を用いて、側根発生が水ストレスに対して示す可塑性に関わるいくつかのQTLを同定した。 さらに、生物資源研究所において育成された日本晴/Kasalathの戻し交雑によって作成された54系統の染色体部分置換系統群を材料とし、根系発育に関わる可塑性を定量化し、また圃場条件下で、根系の発揮する可塑性が土壌水分変動条件下での成長に重要な役割を果たしていることを示唆する結果を得た。 根による酸素輸送能力の評価 乾燥から嫌気条件およびその逆に変動させた場合の、イネの適応能力について上述の染色体部分置換系統群を対象に評価し、根の通気組織形成反応や側根発生能力がその能力に重要な役割を果たしていることを示唆する結果を得た。
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Research Products
(7 results)