2004 Fiscal Year Annual Research Report
パインアップルにおけるCAM型光合成制御の特異性に関する研究
Project/Area Number |
16380018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
野瀬 昭博 佐賀大学, 農学部, 教授 (80045137)
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Keywords | CAM / パインアップル / セイロンベンケイソウ / PEPカルボキシラーゼ / リン酸化 / トノプラスト / リン脂質 / タンパク比 / 脂肪酸組成 |
Research Abstract |
SDS-PAGEで分離したパインアップル(パイン)とセイロンベンケイ(セイロン)のPEPカルボキシラーゼについて,昼夜のリン酸化の変化をNon-RI蛍光法により解析した.両植物とも夜にリン酸化を受け,昼間に脱リン酸化されることが明らかになった.しかし,パインにおいてはPEPCのマイナーサブユニットが確認できなかった.このことを確証するためには,パインPEPCのサブユニット構成を含めプロテアーゼ発現を抑制する抽出条件の確立が必要である.さらに,パインからはPEPカルボキシラーゼ・キナーゼが単離できなかった.このことはパインにおけるRNAase発現抑制条件を検討するとともにSer/Thrタンパクキナーゼなどの他のキナーゼの関与についても検討が必要なことを示唆している.パインとセイロンを20℃と37℃の夜温に置いたときのトノプラスト特性の変化について検討した.夜温20℃と37℃条件下でのリン脂質/タンパク比はパインでは1.82±0.05と1.21±0.08,セイロンでは2.63±0.13と1.50±0.12と20℃及び37℃のいずれの夜温下でもパインのトノプラストが硬くリンゴ酸保持力が大きいことを示唆していた.パインのトノプラストの飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の含量は41.5%と58.5%で夜温が変化しても変わらなかった.セイロンのトノプラストにおいては飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸含量は20℃夜温下で52.1%と47.9%,37℃夜温下で46.4%と53.6%と,高夜温下で不飽和脂肪酸含量の割合が高くなった.このことはセイロでは高夜温下で不飽和脂肪酸含量が増し,膜の流動性が高くなることを示唆している.2次元電気泳動によるトノプラストのタンパク構成の特性については,高夜温下で大きい分子量のタンパクが増大するが,セイロンでの変化はパインに較べて小さかった.
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