2005 Fiscal Year Annual Research Report
カミキリ類における発育と変態の分子的制御機序の解明
Project/Area Number |
16380039
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 幸男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60125987)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 喜紀 南九州大学, 園芸学部, 講師 (50389574)
|
Keywords | キボシカミキリ / 変態 / 休眠 / 発育制御 |
Research Abstract |
血中のJHIII濃度及びエクジステロイド濃度,そしてJHエステラーゼ活性の変動をi)その齢で蛹化することがわかっている幼虫,ii)次齢以降に休眠に入ることがわかっている休眠前幼虫,そしてiii)その齢で休眠することがわかっている幼虫,について調査した.蛹化予定の5齢個体の血中JH濃度は脱皮直後の1.3ng/mlから減少を続け,13日齢では検出限界以下にまで低下した.この時同時に,JHエステラーゼ活性は最大になった.エクジステロイド濃度に関しては,ガットパージが起こる前日にあたる8日齢に小さなピークが認められ,幼虫が前蛹化する2日前にあたる11日齢に大きなピークが認められた.この2つのエクジステロイドのピークは,それぞれ蛹化の運命決定づけ(コミットメント)と蛹化の誘起と関連していると考えられた.6齢以降で休眠に入ることが予定されている5齢幼虫では,JH濃度は最初の5日間は〜1.5ng/mlに保持されていたが,その後上昇し,11日目でピーク(3.3ng/ml)に達した.JHエステラーゼ活性は一貫して低いレベルに保たれていた.エクジステロイド濃度については,6齢への脱皮とほぼ同時期にあたる18日目に40ng/mlという大きなピークがみられた.休眠に入ることが予定されている7齢幼虫では,JHは3日目に1.9ng/mlを示したが,7齢に入ってから30日〜60日経過しても1.1ng/ml程度のレベルが維持されていた.エクジステロイドは,測定期間中ずっと約0.02ng/mlのきわめて低い濃度で維持されていた.以上の結果から,本種の休眠誘導にはJH濃度が高く,エクジステロイド濃度が非常に低いことが必要であることが示唆された.
|
Research Products
(2 results)