2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16380041
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
齊藤 準 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (60221991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小谷 英治 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (10273541)
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Keywords | 変態 / エリサン / 脱皮液 / ビリベルジン / ビリン結合ダンパク質 / リサイクル |
Research Abstract |
本研究では、変態期における幼虫表皮タンパク質のリサイクルといった視点から、1)生合成系、2)分解系、3)リサイクル系の3つの系について解析を進めることで、変態の分子機構の解明を目指している。本年度は、エリサン5齢幼虫期のビリベルジン結合タンパク質(BBP)の生理機能と幼虫から蛹への変態期における脱皮液中のタンパク質成分についての解析を行った。BBPは、幼虫体液中に2種類(BBP-I, BBP-II)が存在し、表皮中にはBBP-IIのみが存在することが明らかになった。エリサン幼虫体色の異なる2系統間でBBPの存在について比較したところ、体色が青くない系統においても体液中に2種類のBBPが存在した。この結果から幼虫体色と体液中のBBPは直接的には関係ないことが考えられる。また、体液と表皮のBBPはいずれも真皮細胞で合成され分泌されると考えられるが、体液に分泌されたBBPが真皮を横切って表皮に蓄積するのではないことが強く示唆された。変態期の脱皮液中のBBPおよび構成タンパク質の量的・質的変動をSDS-ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)により調べた。幼虫表皮のBBPは、前蛹の脱皮液中に吸収された後、最終的には蛹の中腸内容物中に移行した。他の表皮構成タンパク質も同様の挙動を示し、特に48kDaの分子量をもつヘモリン様タンパク質が高濃度で存在することが明らかになった。このタンパク質は幼虫の生体防御に関わるものと考えられるが、現在、その局在と動態について解析を進めている。さらに、BBPに加えてこのタンパク質の遺伝子解析として、その発現についてノーザンハイブリダイゼーション解析およびリアルタイムPCR解析を行っている。
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