2004 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫生理活性物質の代謝を担うチトクロムP450の同定とその発現調節機構の解明
Project/Area Number |
16380045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
冨田 隆史 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 室長 (20180169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 真治 国立感染症研究所, 主任研究官 (80332360)
河野 義明 筑波大学, 農林学系, 教授 (10225386)
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Keywords | シトクロムP450 / アカイエカ / 殺虫剤抵抗性 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
マイクロアレイ法による解析を研究の出発点とし,アカイエカ種群蚊の昆虫生理活性物質および殺虫剤の代謝を担うシトクロムP450分子種を明らかにする目的で,今年度はネッタイイエカ殺虫剤抵抗性系統JPal-perに由来するシトクロムP450 cDNA配列を決定するとともにピレスロイド系,有機リン系殺虫剤,皮膚形成阻害剤,幼若ホルモン類縁体の各種殺虫剤に抵抗性を示す系統を確立した。シトクロムP450遺伝子族に比較的保存されているP450還元酵素結合領域とヘム結合領域のアミノ酸配列に対応する縮重プライマーを使いP450 cDNAを増幅し,約1,200個のクローンを解析した結果,62個の異なるP450分子種をコードする配列を得た。この数は,全P450遺伝子数が明らかになったショウジョウバエとAnopheles gambiaeが保有する数に照らしても過半数を上回る数に相当する。キイロショウジョウバエとAn.gambiaeにもっとも数の多かったCYP6とCYP4の亜族に関しては,ネッタイイエカを用いても同様に豊富な数の分子種が存在することを示した。キイロショウジョウバエになく,An.gambiaeにのみに存在するCYP325亜族に関しては,ネッタイイエカからは相同性の高い分子種の存在は確認できなかった。キイロショウジョウバエのエクダイソン合成経路で最近明らかになったケトトリオールをデオキシエクダイソンに変えるCYP302,エクダイソンを20-ヒドロキシエクダイソンに変えるCYP314に相同性の高い分子種も取得したクローンの中に含まれていた。
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Research Products
(2 results)