2005 Fiscal Year Annual Research Report
真正細菌における非翻訳型RNAによって遂行される遺伝子発現制御機構の解析
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16380055
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 幸治 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (40212097)
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Keywords | 枯草菌 / 非翻訳型 / リボスイッチ / アテニュエーター / non-coding RNA / 翻訳制御 / ストレス応答 / 糖代謝 |
Research Abstract |
真核・原核生物で多くの非翻訳型RNA (non-coding RNA, ncRNA)が同定され、細胞内で重要な機能を担っていることが明らかになっている。本研究では、枯草菌から同定したncRNAの機能解析を行った。BS101 ncRNAは塩ストレス下で発現がおよそ6倍に上昇しており、上流に存在するσ^Bプロモーターによって転写されていることが示唆された。BS101 ncRNA欠損変異による生育への影響は見られなかった。DNAマイクロアレイ解析の結果、BS101 ncRNA欠損変異株においてストレスタンパク質の発現が1/4に減少していた。 BS62 ncRNA欠損株を用いたDNAマイクロアレイ解析の結果、BS62 ncRNA欠損株ではmannose operon (manPA-yjdF)の発現量が上昇していた。ノーザン解析の結果、BS62 ncRNA欠損株ではmannose operonのうちmanP, manAの発現がマンノースの添加60分後に10倍以上となり、この発現の上昇は時間が経過した後も見られた。一方、野生株では2倍程度の上昇であった。このことから、BS62 ncRNAはmannose operonのマンノース添加時の発現誘導の制御に関与していることが示唆された。一方、101ncRNAの欠損株では、マイクロアレイ解析では変化する遺伝子は見出せなかったが、プロテオーム解析の結果、1遺伝子の発現が欠損株でみられた。以上の結果、新規ncRNAの機能解析には、マイク折られいやプロテオーム解析が大きな効果をもたらすことがわかった。
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