2005 Fiscal Year Annual Research Report
接合伝達プラスミドを応用する大規模なDNA移動に関する研究
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16380066
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Research Institution | Mitsubishi Kagaku Institute of Life Sciences |
Principal Investigator |
板谷 光泰 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門, 主任研究員 (60374013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 京子 株式会社三菱化学生命科学研究所, 研究部門, 技術員
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Keywords | 枯草菌ゲノム / 接合伝達 / プラスミド / 液体培養 / 固体培地 / typeIV secretion system / 薬剤選択 / 納豆菌 |
Research Abstract |
(1)16年度で得たpLS20のドラフトシーケンスに基づいてクロマイ耐性の薬剤マーカーを付加したpLS20catを構築した。(2)pLS20cat自身が固形培地上で接合伝達することを確認した後の条件検討の過程で、従来は報告されていない液体培養中でのKineticsを調べた。その結果、供与菌、受容菌ともに接合伝達のタイミングは一過性であることを発見した。詳細な解析の結果、再現性のある接合伝達システムの標準実験プロトコールを確立した(→研究発表1)。(3)16年度に分離した小型の安定なプラスミドpLS30に、スペクチノマイシン耐性マーカーを導入したpLS3001を構築した。このマーカーを指標にして、pLS3001がpLS20catの接合伝達システムで、枯草菌間を接合伝達することを確認し、小型の安定なdelivery plasmidとしての有効性を実証した(→研究発表2)。(4)pLS3001を納豆菌に接合伝達させることを試みたが、納豆菌(recipient)に特異的な選択マーカーが乏しく、結果は示せなかった。納豆菌以外の広範なrecipientにも応用可能な選択システムが今後の課題である。(5)pLS30以外のプラスミドの接合伝達能を検定した結果、当研究室で保持するプラスミドで接合伝達を示したのはpUB110のみであり、期待した抗菌物質生合成遺伝子群が載っているプラスミドは接合伝達能を失っていた。pLS20の接合伝津はtypeIVのsecretion systemに非常に似ているので、汎用接合伝達プラスミドを最初からデザインして構築する方が実用的であると思われる。(6)pLS20配列を全て枯草菌ゲノム中に組み込む試みは、期待した成果は得られなかった。組み込まれると枯草菌がlethalになる遺伝子群の存在が示唆され、別の組み込み手法を適用する必要がある。
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