2004 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科植物の自家不和合性の情報伝達を制御する細胞質キナーゼMLPKの機能解析
Project/Area Number |
16380072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
高山 誠司 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (70273836)
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Keywords | アブラナ科植物 / 自家不和合性 / キナーゼ / リン酸化 / MLPK / 情報伝達 |
Research Abstract |
本研究は、アブラナ科植物の自家和合性変異株の原因遺伝子として新たに見出されたキナーゼ分子MLPKに着目し、自家不和合性の情報伝達系におけるMLPKの機能を解明することを目的としている。本年度得られた主な研究成果を以下に列記する。 1)自家不和合性情報伝達経路上のMLPKの介在位置の解析 変異型MLPKを持つ自家和合性の変異株においても、花粉因子SP11と雌ずい因子SRK間の結合活性は保持されていることが示され、MLPKがいわゆるリガンド-受容体間相互作用以降の情報伝達系に関与することが確認された。MLPKは細胞膜に局在することからSRKと受容体複合体を形成していることが予測されたが、免疫沈降実験等では両者間の相互作用は確認されなかった。MLPK変異体では、野生株で起こる自己花粉の吸水阻害が認められないことから、MLPKは花粉が吸水を開始する以前の段階で機能していると予測される。柱頭由来cDNAマイクロアレイを作製し、自家受粉後の遺伝子発現変動を解析したが、その段階において有意な発現変動を示す柱頭遺伝子の存在は認められなかった。このことは、MLPKを介して伝達される自己花粉の認識情報は遺伝子発現誘導を介さずに自己花粉の吸水を阻害している可能性を示唆する。 2)MLPKの活性化機構の解析 受粉後の柱頭細胞膜上MLPKのリン酸化状態変化を、放射性標識リン酸の取り込みを指標に比較解析したが、他家および自家受粉間で有意な差は認められなかった。生理的に重要な特定部位におけるリン酸化状態変化を、より特異的かつ高感度に検出する系の必要性が示唆された。 3)MLPK標的分子の解析 酵母Two-hybrid法により、MLPKと相互作用する柱頭内発現蛋白質を複数同定した。個々について、生化学的に相互作用の確認を進めると共にその生理学的意義の解析を進めている。
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Research Products
(5 results)