2006 Fiscal Year Annual Research Report
農業生態系の化学的制御に関わる各種生態相関物質の合成と新規農薬リード化合物の探索
Project/Area Number |
16380075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
桑原 重文 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (30170145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清田 洋正 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (30234397)
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Keywords | petridic acid / communiol / litseaverticillol / azadirachtin / gizzeroshine / plant growth promoter / antifeedant / antibacterial |
Research Abstract |
1.ワラビに着生する放線菌が生産し,植物に対して強力な不定根形成促進作用を示すスピロ環型ポリケチドであるプテリジン酸A及びBの全合成を完成した(エバンス不斉アルドール反応と福山カップリングを鍵反応とし,既知物質からわずか14工程)。ルイス酸によるスピロアセタール位不斉炭素の異性化に関する考察を行なった。2.馬糞中に生息するカビが生産するテトラヒドロフラン型抗菌物質であるコミュニオールD, E, F, Hの提唱立体化学を改訂し,全合成も達成した。シャープレス不斉ジヒドロキシル化を共通の鍵反応とした。コミュニオールDの合成では,不斉中心の動的・熱力学的収束を伴うオキシマイケル反応により新規な2,8-ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン骨格の構築法を開発した。また,コミュニオールE, Fの合成では,アリルシラン型中間体の分子内環化による新規な2-オキサビシクロ[3.3.0]オクタン骨格の形成法を開発した。3.ニワトリの胃潰瘍形成物質であるジゼロシンの効率的合成法を開発した。アリル型アルコールの酢酸エステルに対するS_N2'型反応を2回繰り返すことにより,セリンからの短段階合成を達成した。4.植物に含まれ,抗エイズ活性を有する新規骨格セスキテルペンであるリツェアバーチシロールA及びBの両鏡像体合成を達成した。エバンス不斉アルドール反応とリーベスキンド反応による新規なシクロペンテノン合成法を開発し,極めて短段階の全合成に成功した。5.植物が生産する二重結合含有揮発性成分をシクロプロパン化することにより、高品質な香気となることを見出した。6.昆虫摂食阻害物質アザジラクチンの全合成に向けた研究を行った。A環部を欠くものの,全合成の鍵となるバイヤー・ビリガー酸化に成功し,モデル化合物の合成が完成に近づいた。
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Research Products
(8 results)