2006 Fiscal Year Annual Research Report
デンプン顆粒結合型アミロース合成酵素によるアミロペクチン構造の変換と物性の解析
Project/Area Number |
16380084
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 紀美子 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (10281007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花城 勲 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (30336325)
三ツ井 敏明 新潟大学, 自然科学系, 教授 (70183960)
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Keywords | アミロペクチン / 超長鎖 / GBSS / Waxy / デンプン |
Research Abstract |
これまでの研究によって知られているLCを多量に付加する品種と、若干量の付加が認められるがほとんどもたない品種、計7品種について、GBSSIをコードするWX遺伝子の配列を解析し、比較検討した。LC付加型の全ては第一イントロン5'スプライス部位コンセンサス配列が野生型であった。非付加型では当該配列にGからTへの置換変異をもつ、Wxb対立遺伝子であるもの、Wxaであるが、コード領域に2箇所の置換変異を持つものの2つのケースが存在した。 Wxbである場合は、コード領域の配列はLC型であった。栽培品種の直接の起源と考えられるOryzarufipogonのWXと比較したところ、Wxaであり、LC型であった。すなわちWxa-LCが野生型遺伝子である。 Wxa-LCを導入したトランスジエニックイネWAB系統のアミロペクチンヘのLCの付加が認められたので、LC含量の比較的高い他品種のコメアミロペクチンと、特にLCの構造について比較した。ブタノール沈殿により単離したLCの重合度分布は、WABではIR36と夢十色より高分子両分のモル比、重量比とも低い値を示した。アミロペクチンの外部鎖をβ-アミラーゼでトリミングした際のLC両分の減少の割合は、WAB、IR36、夢十色でそれぞれ66、92、77%と大きく異なり、また、LCの重合度と品種によって減少の度合いに差異が認められた。これらのことから、WABのLCは他のインディカ種と比べ、含量としては同程度であるが、アミロペクチン分子内におけるLCの側鎖としての結合の仕方は異なっていることが示唆された。
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