2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗酸化フラボノイドの酸化ストレス標的臓器への蓄積代謝と活性発現機構
Project/Area Number |
16380089
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Research Institution | University of Tokushima |
Principal Investigator |
寺尾 純二 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60093275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室田 佳恵子 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (40294681)
河合 慶親 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (50380027)
板東 紀子 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教務員 (40116851)
東 敬子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所, 室長 (10355604)
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Keywords | フラボノイド / 酸化ストレス / 抗酸化物質 / 動脈硬化 / 内皮細胞 / グルクロン酸抱合 / ケルセチン / マクロファージ |
Research Abstract |
野菜果実に含まれるフラボノイド類は生活習慣病の予防に関わる食品由来物質であると期待されている。本研究の目的は摂取したフラボノイドが酸化ストレス標的臓器に移行するプロセスと活性発現機構を解明することである。本年度はまず、代表的なフラボノイドであるケルセチン配糖体を高含有するタマネギ摂取による血中へのケルセチンの移行プロセスをヒトボランティア試験で検討した。その結果、吸収されたケルセチン配糖体は主に抱合体代謝物として血漿アルブミン画分に存在することが明らかになった。前年度われわれはヒト動脈硬化巣にケルセチン抱合体代謝物が蓄種することを明らかにした。そこで本年度は血管大動脈における抱合体代謝物の活性発現機構について、培養細胞モテルにより検討した。抱合体代謝物のひとつであるquercetin3-glucuronide(Q3GA)はマクロファージ細胞に取り込まれて細胞内で脱抱合することを明らかにした。さらに外部刺激によりQ3GAの細胞への取り込みや脱抱合反応が上昇することをみとめた。この結果はストレス下のマクロファージはケルセチンをより活性の高いアグリコンに変換してストレス防御機能を高めることを示唆する。実際にQ3GAは内皮細胞によるLDL酸化を抑えるとともに、マクロファージのスカベンジャー受容体発現を抑制した。一方、内皮細胞では脱抱合は起こらなかったことから、細胞種により抱合体代謝物の挙動が異なることが考えられた。以上の結果から、抱合体代謝物は血漿アルブミンにより運搬され、ストレス下では細胞内に取り込まれて脱抱合することにより抗酸化活性を高める可能性が示された。
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Research Products
(5 results)